Q

食事中にお茶は必要?

食事のときに、お茶で流し込もうとするような感じが時々あります。食事の後半になるとやり始めることが多いので、食べ疲れたか食感が苦手なのかのどちらかだろうと思っています。(嫌いなものは手をつけずに皿の外に置くか、口に入れて即吐き出します)
食べ物を口に入れて、1、2回嚙みながらお茶を飲んで、そのあとにまたもぐもぐしているので、全部を流し込んでいるわけではなさそうです。「ゆっくり食べていいんだよ」「ちょっとずつお口に入れようね」等の声かけはしていますが、あまり聞いていないようです。食事中にお茶を出さない方がいいのでしょうか。
(2歳4ヵ月・女児)

A

お子さんなりの「ちゃんと食べよう」という気持ちの表れかも?

普段からとても丁寧にお子さんに関わっていることが伝わってきますし、「しっかりと噛んで飲み込む練習もして欲しい」というお気持ちも分かります。でも、今のお子さんにとって、お茶は便利なアイテムなのかもしれません。

 

まず、「噛む」という行為についてお話しますね。

「噛む」ことは食べ物を小さくするという効果もありますが、唾液の分泌を促す効果もあると言われています。唾液は

  • 食物の消化を助ける作用
  • 食べ物を飲み込みやすくするためにまとめる
  • 飲み込む際に喉の滑りをよくする

等の役割があります。
まだ年齢の小さいお子さんは、頑張って噛もうとしていても大人と同じように上手に噛んだり、長い時間噛み続けることは難しいため、唾液の分泌がうまくいかず飲み込めない、ということがよくあります。特に食事の後半に飲み物を必要とするのであれば、食べ疲れや食感が苦手でうまく噛めず、結果として飲み込みにくいからお茶を使っていると考えられます。

でも、どうしてお子さんは途中で「べぇ」と吐き出すこともできるのに、お茶を使って飲み込もうとしているのでしょうか。それはもしかしたら、お子さんなりに『ちゃんと食べたい』『しっかりと食べたい』という気持ちの表れなのかもしれません。“ちょっと疲れたな”、“これ、飲み込みにくいな”と思っていても、一生懸命、諦めずに飲み込もうとしているのだと思いますよ。また、食べることに意識が向いていると、周りの声かけに気づかないこともあります。

 

もし今、食事中のお茶を無くしてしまうと、“どうやって飲み込もう”と困ってしまい、場合によっては吐き出したり、食べることをやめてしまうかもしれません。今はお茶をうまく使いながら、いろいろな食べものに挑戦していくことの方が、食事そのものも楽しく進められると思いますよ。

 

今回は、一般社団法人ぽけっと【言語聴覚士】が回答しました。