Q

ごはんを楽しく食べてもらうには?

1歳半を過ぎたあたりから、全くと言っていいほどごはんを食べてくれなくなりました。それでも、かぼちゃの煮物、ウィンナーは大好きで食べていたのですが、最近はそれすら食べてくれません。ほぼ毎日、食パン・白米・チーズ・焼き芋・バナナなどでおなかを膨らませている感じです。ミカン・りんごは嫌いではないらしくミキサーでジュースにすれば飲んでくれます。
幼児食のレシピ等をみて作ってはいるのですが、口に入れてくれないし、ご飯に混ぜて食べさせてみても、べーっと出すか匂いで拒否反応を示すかのどちらかです。食に興味が無いのか、バナナとチーズ以外は自分から進んでご飯を食べようともしてくれません。どうすれば、少しでも楽しくごはんを食べてくれるようになりますか?
(1歳10ヵ月・男児)

A

マッサージや運動で身体を育みつつ、食べる幅を広げていきましょう

1歳半を過ぎて食べてくれるものが減る、以前は大好きで食べていたものが食べてくれなくなった、というお子さんの変化は、気になりますよね。また、せっかく用意した食事を拒否されたり、手を付けてもらえなかったりすると、がっかりすることもあると思います。

以前は様々なものを食べていたのに、食べない、嫌がるものが増えたという状態は、もしかしたら口の中の感覚が育ったから起きている、ということが考えられます。
目には見えませんが、私たちは口の中でかたさ、食感、におい、味、といった色々な感覚をキャッチし、それを頼りに生きています。おそらく、お子さんがさまざまな物を食べていたときは、まだ口の感覚が育っておらず、味や食感、におい等の違いを細かく感じとれていなかったのかもしれませんが、成長するにつれて、食事以外の場面でも様々な物に興味津々で触ったり、動かしてみたり、歩いて近づいてみる姿が増えてたのではないでしょうか。

好き嫌いの選り好みが明確になったのは、このような経験を積み重ね、からだや口の中の感覚が育つことで、ちょっとした味の違いやにおい、食感が分かるようになってきたからだと思いますよ。

ただ、感覚的に“嫌だな”と思うものが多いと、【食べられない/食べたくない】と思うものが増えることもあります。また、口の中の感覚がとても鋭くなると、“これは平気”“これは嫌”といった判断基準がお子さんの中で明確に決まります。バナナやチーズ以外は進んで口にしないとのことから、お子さんの口の中の感覚は少し鋭いのかもしれませんね。
感覚の鋭さがあると考えられるお子さんの場合は、からだの感覚を育て、感覚の鋭さを落ち着かせていくといいですよ。口の中は歯磨きくらいしか触れる機会がありませんが、からだであれば着替え、トイレ、お風呂等、お子さんの体に触れる機会はたくさんあると思います。その中で、手のひらで握るようなイメージで腕や足をぎゅっと握る、手を持って上下にぶるぶると震わせる、手のひらや足裏を少し力を入れてマッサージする等を試してみてください。くすぐり遊びや歌に合わせた触れ合い遊びも楽しいと思います。からだの感覚が育つと徐々に口の中の感覚も育っていきます。そして口の中の感覚が育つと感覚の鋭さは落ち着いてきますので、少しずつ食べられるものも増えていくと思いますよ。

 

また、もし食べる量も少ないということであれば、外遊びや動く機会を増やすこともおすすめです。からだをたくさん動かすことでエネルギーが必要になり、お腹がすく⇒食べ物をもっと食べたくなる、という食欲の育ちにつながりやすくなります。「食べたい」という意欲が持てるようになると、ご家族が食べている食べ物にも興味が向いたり、出された食事でもOKになるということも期待できます。お子さんが日頃どの程度動いているかを、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

 

今は食べられるものが減っていますが、お子さんなりに食べたいもの/食べられるものを見つけて食べているのだと思います。今、食べている食事内容を中心にして身体と感覚を育みながら、少しずつ食べられるものの幅を広げていけると良いですね。

 

今回は、一般社団法人ぽけっと【言語聴覚士】が回答しました。