「手づかみ食べ」のあとは、「フォーク」からスタート!

作業療法士による「食具」(手、スプーン、フォークなど食事の時に使う道具のこと)に関するコラムがスタートし、前回は、『手づかみ食べによって、大切な機能が育てられている』ということをお伝えしました。

手のひらや指先で食べ物の硬さや弾力、大きさを確かめ、口の周りやテーブルの上を汚しながらうまく口に入れられるよう練習する、そんな「手づかみ食べ」を経て、手と口の距離感が上手につかめるようになってくると、いよいよスプーンやフォークなど道具の出番になります。

3.お皿からすくうという動作をスキップできる

 

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フォークでは、食べ物を直接さすので、お皿から食べ物をすくうという動作がスキップできます。スプーンの場合は食べ物の下に入れてからすくい上げるという2つの動作があり、それがうまくいかないとお皿にも工夫が必要になってきます。フォークでは、上からぶすっとさすだけ。もしこの時にお手伝いが必要であったとしても、一瞬のことです。

 

 

4.成功体験を積み重ねることができる

 

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①~③であげたように、フォークには子どもたちが成功体験を積める要素がいっぱいです。
子どもにとって、再度チャレンジできる失敗を経験することはとても大切ですが、はじめは【できる】をたくさん積み重ねて成功体験を積み上げていくことが、食べることへの自信にもつながり、失敗が怖くなくなります

 

このように、実ははじめての食具はフォークのほうがうまくいく可能性が高いといえます。

 

 

フォークを使い始める時のポイントは?

はじめてフォークを持たせるときは、まずはフォークに食べ物をさして、お皿においてあげてくださいね。
簡単にさしやすいもの(茹で野菜や肉団子くらいの硬さのもの)を用意してさしかたの見本を見せたり、一緒にさしてみたりしてみましょう。その時には食べ物の名前を言いながら、「にんじん、ぶすっ」などの効果音をつけてあげるとなおいいでしょう。

 

そして、成功体験をしっかり積み上げていく中で大切なのは、お母さんやお父さんなど周りの大人たちからの賞賛と褒める言葉です。大切な人に褒められると嬉しくってどんどんチャレンジしたくなり、ますます上手になっていきますよ♪
始めは手がかかる行為ですが、一人でご飯を食べられるようになると、お母さんの食事時間がゆっくりとれるようにもなりますよね。独り立ちまであと少し!

 

 


 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【作業療法士】が執筆しました。

 


一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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