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練習は少量からで大丈夫!コップ飲みが上手になるための土台作りもあわせて行いましょう。
暑い日が続いているので、水分摂取量が少ないと心配になりますよね。
まず、ストロー飲みとコップ飲みの違いとして、同時に意識することの差があります。ストロー飲みは口の動きだけに集中していればいいのに対し、コップ飲みは手や腕と口を同時に意識することや動かすタイミングを合わせることなど、複数のことに同時に意識を向ける必要があります。
こういった理由からコップ飲みで水分摂取量が減ることは、おそらく‘飲む’ことをかなり集中して行っているので、持続が難しいためと思われます。持続が難しい理由としては、身体発達のゆっくりさが関係していると推測されます。
人間の体の発達は中心から末端へと進みます。しかし、中心部分いわゆる体幹がしっかりしていないと末端である手や口を思ったように動かすことは難しくなります。したがって、身体全体の発達の底上げをしていく必要があり、外遊びや散歩などに加え、手足のマッサージをしていくことも有効です。
以上のことをふまえて具体的な対応方法として、以下はいかがでしょうか。
- 暑い日や外遊びなどでたくさん汗をかくときは、水分摂取を優先しストロー飲みにする
- 涼しい日や室内にいるときは、コップに少しずつ水を入れ、飲む練習をする
- お昼寝前などに手足のマッサージをして身体発達を促す
できるように教えたり練習したりすることも大切ですが、まだその段階に達していないお子さまにそれを行うと、その動作が嫌いになったり、嫌になったりする可能性があります。したがって、前述の③のようにできるようになる土台作りをすることも大切です。
また、ストロー飲みでも水分摂取ができたことをほめる声かけをしていただくことも良いと思われます。ほめられて嬉しい体験をするとまたほめられたいという意欲につながり、その行動が増えていったり、新しいことや難しいことにも挑戦しようとする気持ちが育つといわれています。
一方で、毎日練習したり、できるようにしなきゃと思うと、保護者の方も本人もつらくなってしまいますよね。数か月~半年と長い期間でお子さまのご成長を見ていき、味噌汁が飲めるようになったことのようにできている部分にも目を向けていただくことも大切です。大好きなママやパパにほめられるとお子さまも嬉しいので、お子さまのできているところや良い部分にも目を向けていってくださいね。
※今回は、一般社団法人ぽけっと【臨床心理士】が回答しました。