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大人の味付けする前に取り分けて
食べてほしくて、いろいろと工夫をしているのに結果が出ないと苦しくなってしまいますね。
<食べない理由について>
2歳前後は好き嫌いが出てきやすい時期です。これは、食べ物の違いを認識し始めてきたという発達の表れだと考えられています。「今はこういう時期!」と思って、今まで通りにいろいろな味付けや食材を出してあげてくださいね。
食べてくれないとせっかく作ったのにと辛く感じるかもしれませんが、そんなときはお子さんの気持ちになって考えてみてはどうでしょうか。
○ 今はあまり食欲がわかないな・・・
○ この前、緑色のものを食べたら変な味がしたな・・・
○ これは食感が好きじゃない・・・
○ 見たことがないから、どんな味がするかこわいな・・・
もしかしたら、こういったことを感じているのかも? まだ、お子さんは口に出して気持ちを上手に表現できないため、食べない、という態度で表現することもあるのです。
ですので、食べない時には無理強いしないこと。「一口味見してみる?」くらいの声掛けに留めておくようにしましょう。もし、その時に一口だけでも挑戦してくれたら、飲み込めなくて口から出してしまってもOK。頑張ったことを褒めてあげると、今後の“食べてみよう”という意欲を高めやすくなりますよ。
<大人と同じ食べ物について>
そして、何もかもお子さんに合わせて準備するのは大変です。食べてくれるものがわかっていれば、余裕がないときや疲れているときはそれだけを用意することがあってもよいと思います。ただし、味がはっきりとわかるような濃いものであったり、大人が食べているからと糖分や脂質がたっぷりと含まれているもの(菓子パンや総菜パンも含めて)は、まだしばらく避けましょう。なぜならば、内臓が未発達なうちは、消化に負担をかけてしまうからです。
それに加えて、そういった味を覚えてしまうと、ますます薄味の料理を食べなくなってしまいます。そもそも、大人だから味が濃くてこってりしたものを食べてよいわけではありません。(大人も食べる頻度や食事バランスを考えてとり入れたいものですね)
<食事の工夫について>
手づくりの料理であれば、大人の食事から取り分けるよりも、大人の味付けにする前に取り分けてあげるのがベター。表面だけでなく、食材の中まで味が染みこんでしまうと味を薄めるのは難しいからです。最初に子ども用の薄い味付けに調えてから子どもの分を取り分け、残った料理に大人は調味料を加えたりかけたりして食べるようにしてみてくださいね。
また、薄味について悩んでいるのでしたら、次のような食材を何種類か組み合わせ、蒸したりコトコト煮込んでみると、うま味が強くなります。
○ きのこ
○ 肉
○ 魚
○ キャベツ、にんじん、玉ねぎ、かぶなど
○ 切り干し大根
○ にんにく少々
こういった食材に加え、次のようなものをかけたり和えるのもOK。
○ かつお節
○ しらす干し
○ ごま
ほかにも、肉や魚を加熱する前に表面の水分をキッチンペーパーなどで拭いておくと、食材の臭みが軽減できます(それが嫌いの原因となることも)。そのうえで、塩をほんの少しと小麦粉や片栗粉をまぶすと、下味が付くのと同時に後から加える調味料が絡みやすくなりますよ。切り方については、繊維を断ち切るようにするとやわらかく仕上がります。千切りや拍子木切り(立方体の形)にする場合には、まず食材を輪切りにし、それから細く切っていくといいですね。
いろいろとご紹介しましたが、「食べさせなきゃいけない」と思うと気が重くなってしまいます。今は「食べてくれたらラッキー」くらいの気持ちで、できることを取り入れてみてくださいね。
<関連する質問>
Q.大人と同じ味付けで大丈夫?
Q.好きなものしか食べなくなりました
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。