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お口の中の感覚面が鋭いのかも?感覚面を育てる関わりを!
離乳食期は概ね食べられていたものの、1歳後半ぐらいから現在の様子が強くなっているとのことですので、ちょうどお子さんの自我が芽生え始める時期に始まったようですね。
この時期は自己主張が強くなり、拒否も多くなります。でも、せっかく作った食事に手を付けてもらえないとがっかりしますよね。また、食べてくれるものが減っているので、お母さんも心配が募っていることと思います。ただ、お子さんは特定のものは食べているので、食事自体に意欲はあると思いますよ。
- 体重が変わっていない(減っていない)
- 身長が伸びている
- 病気を繰り返しているわけではない
という点から、お子さんの成長に必要な栄養素は食事から取れている、と考えて良いと思います。栄養素の面は気になると思いますが、からだはしっかり育っているようですので、その点は安心してくださいね。
そして、食べられるものの中でも特定の食品や特定のメーカーのものを好む、という点からお子さんは口の中の感覚が鋭く敏感さを持ち合わせている、ことが考えられます。つまり、口に何かを入れた時に感じる匂い、味、触感等の違いを明確に感じ取るため、お子さんは“なんか違うな”、“これは嫌だ”という気持ちになりやすいのです。でも、今はまだそうした感覚的なことを言葉では伝えられないため、拒否したり特定の食品・メーカーのものにこだわったりしているのかもしれませんね。
感覚の敏感さは、お子さんにとって“よく分からない怖いもの”に近い存在で、「繰り返し食べれば慣れる」というものではありませんが、からだの感覚面を育てる関わりをしていくと変化が表れるかもしれませんよ。
感覚は手足から育っていき、徐々に口周りや口の中が育つという過程をたどります。そのため、感覚面を育てるためには、手のひらや足裏のマッサージが有効と言われています。一見遠回りに思えるかもしれませんが、これが非常に重要ですのでぜひ取り入れてみてくださいね!
【手足の感覚を育てるマッサージ】
ぎゅっと親指で押した時に爪の先が白くなる程度の力加減で、お子さんの手や足裏全体、甲、指などをマッサージします。1回で大きく変化するものではありませんが、毎日、数秒でも続けることで変化が出てくると思いますよ。からだを使って大人と触れ合う遊びも効果的です。
- “こちょこちょ”や“ツンツン”
- お膝の上で歌に合わせてゆらゆら
- 着替えやお風呂のときのゴシゴシ
など、お子さんのからだにしっかり触ることで、感覚面の育ちを促すことができます。また、泡や水遊びなどの感覚遊びも、感覚面を育てることにつながりますよ。
大事なのは、お子さんもお母さんも楽しみながら、生活の中でご無理のない範囲で、取り入れることです。「食事自体を嫌なものにしたくない」というお母さんの思いはとても大切です。無理強いをせず、お子さんに合わせて食事を出しているからこそ、お子さんも“食べたい”という意欲を持って食べているのだと思います。
栄養面や今後のことを考えると不安もあると思いますが、お子さんが受け入れられるものが増えるよう、感覚面を育てる遊びやマッサージを取り入れてみてくださいね。
今回は、一般社団法人ぽけっと【臨床心理士】が回答しました。