A
今からでもしっかりと鉄分の多い食事を!レバー以外のものも組み合わせてみて。
生まれた後、体内に蓄えられていた鉄分が少なくなっていくタイミングは生後7ヵ月くらいからと言われているので、ちょうどその頃から食事での鉄分不足が気になっていたというのであれば心配ですよね。
現在、お子さんの発育や年齢相当の機能の発達などに心配な点はありますか?乳幼児の鉄欠乏性貧血で心配なのは脳や筋肉など、発達が著しいところへ十分な酸素が届かず、精神や運動の発達に遅れが出ることです。鉄分不足以外の原因で起こることもありますが、たとえば
- 集中力がない
- 不機嫌になりやすい
- じっとしていられない
- 言葉の覚えが遅い
といった症状がいくつも見られるのであれば、医療機関で検査をして早急に対処した方がよいでしょう。そうでなければ、今からでも毎日十分な鉄分を摂るようにしましょう!鉄分を多く含む食材というと、含有量が断トツに多い“レバー”を思いつきますが、その他にもたくさん種類がありますよ。
【動物性の食材】
脂身の少ない肉/マグロ、イワシなどの赤身や青背の魚/しじみ、あさり/卵黄
【植物性の食材】
あおのり、岩のり、ひじき、焼きのり/パセリ、切干大根、青菜類(大根の葉、小松菜、かぶの葉、ほうれん草など)、枝豆/大豆製品
レバーには及ばずとも、これらの食材にも比較的鉄分が多く含まれているので、3回の食事とおやつに必ずいくつか取り入れるようにしてみてください。
加えて、レバーを食事に取り入れる際には注意点があります。それは、鉄分だけでなくビタミンAも非常に多く含まれているため、摂り過ぎによってビタミンAの過剰症が起こる可能性があるということです。もちろん、1日だけ多く摂ってもすぐに問題があるわけではありませんが、毎日食べ続けるとリスクが高まっていきます。ビタミンAの許容上限量から、1日に摂っても問題ないとされるレバー(鶏・豚)の量は1~2歳で約4g、鉄分量は約0.5mgに相当します。
1週間で30g以内までは許容範囲ですが、他にビタミンAを多く含む動物性食品を摂るのであれば、もっと少ない量が目安になります。牛レバーの場合は、鶏や豚に比べてビタミンAが少ないため、10倍摂取しても問題なく、それに比例して鉄分を多く摂ることができます。
ただ、幼児食としては臭みが強いため、下処理や味つけをしっかりしないと食べにくい可能性があります。そのため鉄分の補給源としてレバーにばかり頼ってしまうと、必要量を摂るために他のリスクも負うことになるため、その他の食材も組み合わせる必要があるといえます。
動物性と植物性では、含まれている鉄分の体への吸収率が異なるため、吸収率が低い植物性の食材を使うときには、
- ビタミンC(新鮮な野菜、果物など)
- クエン酸(酢、柑橘類など)
- 動物性たんぱく質(肉、魚、卵、乳製品など)
を合わせると効果的とされているので、組み合わせにも工夫してみてくださいね。
ちなみに、日本人の食事摂取基準における1~2歳の鉄分推奨量は男女ともに【1日4.5mg】とされています。この5倍量を摂取しても体に影響はないと考えられているので、通常の食材から鉄分を摂る場合は過剰症の心配はあまり気にしなくても大丈夫です。むしろ、なかなかクリアするのが難しい数値でもあります。
そんな時には、牛乳の代わりにフォローアップミルクを利用するというのも、おすすめ!離乳食が終わったお子さんであっても、食事だけでは不足しやすい鉄分などの栄養素が含まれていますし、吸収率を高めるようにビタミンCなどを配合している商品が多いですよ。
そのままぬるま湯に溶かしてあげたり、料理に加えて使うことができますので、ぜひ鉄分不足が気になるのであれば、フォローアップミルクも利用してみてはいかがでしょうか。今からでも、お子さんの体の発達に必要な鉄分をしっかりと摂れるよう、ぜひ食事の見直しに取り組んでいってくださいね。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。