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濃い味に慣れてしまったのかも。昆布やかつお節などの「だし」を使った料理を増やしてみて。
お子さんは
● しっかりと味がするルウ料理、ルウがかかったごはん
● (食塩が含まれている)うどん
などを好んでいる傾向がみられます。濃い味付けばかり食べていると、素材そのものの味や風味が分かりにくくなるので野菜をやわらかく煮込んでも食べなくなった、という可能性が考えられます。
また、市販のソースやケチャップなどには、いくつもの調味料や香辛料などが原材料として含まれているので、幼児食で使用するのには味が濃く、刺激が強いものが多いです。ちなみに、【1歳からの〇〇】といった子ども向けに販売されている食品の中には、塩分量が大人のものとほとんど変わらないものもあります。
厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、2歳児の1日の食塩摂取量は3.0g未満とされています。つまり、1日3食だけで換算した場合、1食当たり1.0g未満。これ以外に、塩分が含まれているものをおやつで食べるとすると、さらに少ない塩分量にすることが望ましいのです。
【一般的な塩分量 (日本食品標準成分表2020年版参照)】
- お好み焼ソース:100gあたり4.9g/大さじ1杯あたり約0.3g
- 濃厚ソース:100gあたり5.6g/大さじ1杯あたり約0.4g
- ケチャップ:100gあたり3.1g/大さじ1杯あたり約0.1g
控えめの使用であれば塩分量は問題になりませんが、そこにはもうひとつの問題があります。それは、複数の調味料や添加物によって濃厚な味つけになり、素材の味を隠してしまうという点です。苦手な味を抑えるために適量を取り入れ、食べやすくする手段として利用するのは悪くないのですが、その味だけを覚えて、それしか口にしなくなってしまうのであれば本末転倒です。
たとえばケチャップには塩だけでなく、砂糖やいくつもの香辛料が含まれており、単一の調味料と比べて、味覚が発達段階のお子さんにとっては複雑で刺激のある味わいになっています。お子さんが食べてくれるからと言って、そういった調味料ばかりが食卓に並ぶと、あっさりした料理の味を感じにくくなり、ますます食へのこだわりは悪化していくことが懸念されます。
ソースやケチャップなどは使い慣れた調味料かもしれませんが、だし汁などを加えて薄めたり、こういった調味料を使わない和食の割合を増やしていくことをおすすめします。
また、違う観点からになりますが、洋食はソースやとろみのある煮込み料理が多くなりやすく、必然的に味つけも濃くなりがち。対して、和食は素材の持つ味を生かした控えめな味つけの料理が多いと言えます。(もちろん、例外もありますが大まかなくくりとして)
濃い味を覚えてしまった舌をリセットするために時間はかかりますが、昆布やかつお節などの素材の味を引き立たせてくれる「だし」を加えた料理も、少しずつ食卓へ増やしていってみてくださいね。
素材の味がわかるようになってくると、じっくりと加熱しただけの野菜の甘さや香りなどのおいしさにも、気づけるようになっていくはずですよ!
※今回は、「管理栄養士」が回答しました。