Q

偏食・小食の子どもの便秘を解消するには?

2歳半、男の子です。小食、偏食で食事に興味はほぼありません。
好きなもの(お菓子、うどん)は進んで食べますが、遊びに夢中でいつもうろうろしながら食事をしています。小さいころから便秘で通院しており、薬を飲んだり浣腸をしていますがなかなか改善しません(食事量が少ないためと思われます)。浣腸のたびに痛いと泣いて暴れるので、早くよくなってほしいです。
バナナと野菜は小さく刻んで柔らかく煮る以外は苦手で食べません。食感や大きさ、味に敏感なタイプで無理強いもできず困っています。うどんやマカロニ、ウインナーが大好きですが、こういったものは合わないのか量を食べても便がでません。あまり食べさせないほうがいいのでしょうか?偏食、小食の子の便秘について、アドバイスいただきたいです。
(2歳半・男児)

A

少しでも食べやすいよう、完了期(パクパク期)の食事に戻してあげて

“食に興味がない→あまり食べない→便秘→薬・浣腸”
この状況はお子さんにとっても、お家の方にとっても辛いですよね。

 

「食への興味」は、いきなり生まれるものではなく、離乳食を始めた頃から言葉がわからなくても働きかけを続けていく姿勢が大きく影響するといわれています。2歳を過ぎ、いくらか言葉が通じるようになってきているのであれば、ぜひ今からでもできることを続けていきましょう。

 

まず、お家の方ご自身の食への興味はいかがでしょうか?
家事や育児に忙しくて食事の途中で何度も席を立って用事を済ませたり、テレビをつけたままなど、集中できない環境にいることはないでしょうか。

2~3歳の頃というのは、自分でできることが増え、いろいろなものへの興味も強くなったり、自我も芽生えてきて、食事の時間だからと切り替えることは難しいでしょう。
例えば、時計を指さして「長い針が○になったら、ごはんを食べようね」といってあらかじめお子さんに伝えてみましょう。食事の準備ができた途端に「ごはんだから食べるよ」と言われても、ずっと遊ぶつもりでいた側からするととても理不尽なことですし、予測のできないことに反抗したくなってしまうのも当然なことです。(これはイヤイヤ期に関わらずいえることです)
次は、伝えておいた約束の時間になったら「長い針は今どこまで進んだかな?」と聞いてみてください。答えてくれない場合でも、「○になったから食べに行こうね。今日はおいしい△△ができたから楽しみにしてね」などといって、食事へ関心を向けさせましょう。できるのであれば、一度おもちゃを簡単に片付けさせてから(目の付かない場所へよけることが目的)、席に連れて行くといいですね。

こうした一連の流れのポイントは、遊びなどの自由時間と食事の時間を線引きしてあげる環境を作ることにあります。最初からスムーズには進まないと思いますが、続けていき習慣化していくことでお子さんにルールとして身に付けてもらうようにしましょう。

 

次に、食べられるものが限られていて「偏食・小食」とのことですが、もしかしたら歯の生え具合いや噛む力、顎の発達などがゆっくりなために上手に噛み砕くことが難しいのかもしれません。実際に、私が働いている保育園でも、2歳半でも完了期(パクパク期)の給食を提供していた例もあるので、月齢に関係なく幼児食から完了期の食事へ戻してあげるのも一案です。
野菜などを柔らかく煮ることはもちろん、肉や魚もとろみを付けて小さくしてあげたり、柔らかめの肉団子くらいのかたさに調整してみると食べてくれるかもしません。
この段階だと、大豆・コーン・トマトのように皮が口に残りやすいもの、葉物野菜やわかめなどのようにペラペラした食感のものは苦手に感じるようなので、1品に多くは混ぜないようにしてあげましょう。

 

また、「便秘」については、できるだけ食物繊維や乳酸菌を摂れるように意識してほしいところです。
海苔などの海藻類、ポタージュスープ(柔らかく煮込んだ野菜をスープごとなめらかにして牛乳などを加える)、さつまいもやかぼちゃなどの食物繊維を含んだ甘味のあるもの、ヨーグルト・ドライフルーツなど、たくさん食べる必要はないので食べられるものを毎食取り入れてあげるといいですね。

ただし、子どもの便秘は食事の内容以外にも、強いストレスのかかるような環境・運動不足・生活リズム(寝起きの時間など)の見直しによって改善するケースもあります。
あまりにも食べないからといって、お家の方が不安な顔をしたり、イライラして叱ってしまうことが頻繁にありませんか?もし心当たりがあるなら、「食べてくれたらラッキー」くらいの軽い気持ちで少なめの料理を用意するようにしてみてください。食べるかどうかわからないからといって、決まったもの以外は食卓に出さないようになってしまうと、お子さんが多くの食材に触れる機会を奪ってしまうことになり、将来的にもっと偏食が強くなるといったデータもあります。食べるかどうかわからないけど、一口なら気が向いて食べてくれるかもしれない!そう思って、大人の分を一口分ずつ盛る方法でもOKです。(試食会みたいなイメージです)

「今日は何が入っているかわかるかな?」
「どの色が一番きれい?」
「どんな匂いがするかな?」
「ママ(お母さん)は、コレを食べてみるね。甘くてしっとりとしていて美味しいな~」
「●●くんも好きな味だと思うよ。なめるだけでもどう?」

お子さんへのアプローチは、このような感じでOK。決して「食べて」とは言わなくていいのです。食べるかどうかはその時の体調や気分でお子さん自身が決めることなので、大人は選べる環境づくり、選びたくなる言葉がけをしてあげるようにしましょう
いつ口にしてくれるのかは時間が解決してくれるものだと割り切り、お子さんが興味を持たなければ、その一口は目の前でお家の方が美味しく食べてしまいましょう。ここでのポイントは、食べ物に目を向けさせること、そして大人たちが笑顔で美味しく食べている姿を見せることです

こうやって少しずつでも構いませんので、お子さんが口にできる食材を増やし、今食べられるものだけに頼らないようにすることが大切です。(好物も毎食でなければOKです)

その他にも、お腹が空くように身体をたくさん動かす、おやつを与えすぎない、起床と就寝時間をできるだけ一定にコントロールしてみる、こういったことにも取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

少しでも、悩みが少なくなるよう、今できることを継続してみてくださいね。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。