おままごと、どうやっていますか?<br><font>―遊びで食べ物への興味を広げる―</font>

小さなお子さんの行動面について臨床心理士がお母さんたちに伝えたいこと、その第1弾は遊びで食べ物への興味関心を広げようです。おままごと遊びを例にあげながら、わかりやすく説明します。

「食に関する遊び」ときいて、まずいちばんに思いつくのは“おままごと”ではないでしょうか?今や100円ショップでもさまざまなおままごと用のおもちゃが手に入るようになり、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭にひとつはあって、取り組みやすい遊びが“おままごと”だと思います。そんな主流な遊びのおままごとですが、実は私たちがよく聞くご相談の中に「おままごとの遊び方が分からない」「どうやっておままごとをやったらいいの?」ということがあります。たしかにおままごとのやり方は育児書には書いてありません。簡単に入手でき、みなさんがよく知っている遊びであるはずのおままごとで、お父さん・お母さんが苦戦されるのはなぜでしょうか?

 

おままごとの醍醐味はイメージを人と共有して遊ぶこと

お子さんが使う玩具には、

 

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大きく分けて、これら2種類の玩具があります。

 

おままごとは道具を触ったり切ったりするだけではなく、たとえばカレーやスープ、ケーキなど、何かの料理を作るイメージをもって遊ぶことができます。「料理」を作り、よそう、すくう、そそぐ、食べるなどの真似をしてイメージを人と共有して遊ぶことが、おままごと遊びの醍醐味です。でも、大人がお子さん独自のイメージや展開を共有したり、お子さんの展開をさらに広げる提案を思いつくことって意外と難しいんですよね。では、どのようにおままごとを進めたらよいのでしょうか?

 

自由な見立てでイメージを広げる子どもたち

保育園や幼稚園でのお子さんや先生の使っている道具にも、おままごとがうまくなるためのヒントがあります。保育園や幼稚園には市販のおままごとセットがあっても、“先生方の手作りのおままごと玩具”で遊んでいるお子さんがいます。これはお子さんの自由な見立てやイメージを広げるために、わざと身近な道具を使っているのです。見立て遊びの幅が広がり展開できるようになると、身近なものを使って「料理」をつくることができるようになります。

 

例えば

 

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など、見た目が食べものそのものでなくても、お子さんたちはイメージの力で補って「料理」として捉えます。市販のおままごと道具でももちろんOKですが、身近な素材でもお子さんたちのイメージの中でその場にいろいろなおままごとの道具を生み出すことができます

 

感覚遊びから見立て遊びへ

また、おままごとで遊ぶのが少し難しいなと感じるお子さんには、まずは感覚遊びを楽しみながら、徐々に見立て遊びを取り入れていくことがおすすめです。

感覚遊びの例としては…

 

  • 色水の中にスパンコールやビーズなどを入れると、キラキラ光る感覚を楽しむ
  • 細いチェーンやビーズがしゃらしゃらと落ちる様子を見たり、手で感触を楽しむ
  • スポンジのフワフワした感触を楽しむ(硬さの違いがあってもいいですね!)
  • ティッシュや新聞を破ったり、丸めて遊ぶ

 

など、身近なものに触れる・転がす・押すなどの単純な操作が実は感覚的な遊びとして楽しめるのです。月齢が上がってきたら、「パンもぐもぐ」などお子さんが普段食べているものをイメージ出来るような声かけを取り入れていただけると、さらにイメージが広がりやすくなります。

 

ママやパパは声かけから始めてみては…

身近な材料を用いるとおうちでも取り入れやすく、またお子さんのイメージを広げるきっかけにもなっていきます。でも、一緒に楽しむということがどうやっても難しいなあと感じるお母さん・お父さんは、まずおままごとに参加しながら「どうぞ」「いただきます」「おいしいね」の声かけから始めていくとよいと思います。大人はどうしても見た目や用途にとらわれて自由なイメージを共有・発想しづらいものですが、おままごとをしていると、お子さんの想像力にあっと驚かされる瞬間もたくさんあります。おままごとにお子さんと一緒にチャレンジしてみることで子育てがより楽しくなるのではないでしょうか?

 


 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【臨床心理士】が執筆しました。

 

一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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