Q

たんぱく質(卵、肉、魚)を食べません。

卵、肉、魚を食べません。
卵は、卵焼き、目玉焼き、ゆで卵、スクランブルエッグ、オムレツなど、見た目で卵とわかるものはもちろん、茶碗蒸し、プリンなどもダメです。以前は毎朝、卵焼きもしくはオムレツを出していて、食べ終わるまで粘って食べさせたり、夕飯に再び出したりして食べさせていました。スープの溶き卵や、ほうれん草の卵とじなどは好んで食べるのですが、以前親子丼を食べた後に戻したことが2回あり(恐らく体調不良も重なって)、卵焼きを食べる時も少量しか口に入れていないのにオエッとなりながら食べていたりして、好き嫌いの他に、身体が受け付けないのかなと感じた時もありました。
朝は卵焼きが定番の我が家。卵を使わず作れるオススメのメニューはありますか?また、たんぱく質不足も心配なのですが、チーズ、牛乳、納豆、豆腐などだけでも大丈夫なのでしょうか?
また、肉はひき肉、鶏肉は比較的食べますが、他のお肉は脂っこいのか固いのか食べるのを嫌がります。魚は鮭、鯖などは以前は好きでよく食べていましたが、今は食べるのに時間がかかり、非常にストレスを感じています。
(3歳・女児)

A

たんぱく質は食べられる食材を少しずつ組み合わせて摂ればOK!
嫌な経験と食べ物がセットになっている可能性もあるので、無理強いは避けて。

以前は食べてくれたのに食べが悪くなると、心配でもあり不思議にも感じますよね。大人よりも味覚が敏感な幼少期には、好みの変化はよくあることです。そして、特定の食べ物をお子さんが苦手に感じてしまう理由として多いのは、ご相談者が気にしていらっしゃった通り、次のような点が挙げられます。

  • 嫌な体験と食べ物がセットになって記憶されてしまった
  • 食感が生理的に受け付けられない
  • 噛みにくくて食べ疲れてしまう

給食や外食では、何でも食べてくれると親としては手がかからずとても楽に感じますよね。ですが、見るだけで怖い出来事を思い出してしまったり(トラウマのようになっている状態)、脂が多くて食後に胃もたれを感じることがあったり、ずっと口に残ってなかなか飲み込めない状況だったりすると、大人でもおいしいと感じにくくなると思います。
特に、脂身の多い食材は、鮮度や調理方法によっては通常よりも脂が消化しにくかったり、消化の時間に個人差もあるため、体調に直結することがあります。

 

お子さんは、そういった身体の反応に敏感なのかもしれないので、下記のような工夫をしてあげると、脂っぽさを軽減できます。

  • 脂が少ない赤身肉を選んだり、皮の部分を外してあげる
  • ゆでたり、グリルを使った調理で、脂を落としてあげる

また、パサパサして食べにくかったり飲みにくそうな場合は、下記のようにすれば、食材の水分を逃げにくくし、臭みも取れやすいので、ジューシーな仕上がりになりますよ。

  • 塩、砂糖、料理酒を下味として全体に少量まぶす→加熱する30分前くらいに!
  • 高温調理で短時間加熱ではなく、低温でじっくりと長時間加熱する

最後に、嫌な体験と食べ物がセットになって記憶されてしまうという点ですが、これは大人になっても改善しないという方が多いのが現状です。
これ
に関しては、絶対に無理強いを避けてあげてくださいね。給食などでは、アレルギー反応が出ていないと除去対応が難しいと思いますが、せめて安心して過ごせるご自宅では出さないであげてほしいです。ご家族はいつも通りおいしそうに食べ続ければいいですし、本人の気持ち(捉え方)が変われば、自然と食べたいと言ってくることもあると思いますよ。

 

卵を使わずに、絹豆腐・ターメリック(カレーの色付けに使われるウコンパウダー)・塩・片栗粉で、“なんちゃって卵焼き”を作ることは可能です。味は同じではありませんが、同じようなものを同じ食卓で食べることを重視するのであれば、代替料理を並べてみるのもいいでしょう。

 

チーズ、牛乳、納豆、豆腐などが食べられるのであれば、肉や魚の代わりに食事に必ず入れるようにすれば大丈夫です。魚も、しらすや小えびなどが食べられるようであれば、スープや炒め物に混ぜることで少しずつたんぱく質を摂ることができますよ。

3歳児の場合、たんぱく質は1日25gが推奨量とされていますので、1日3食であれば、1食あたり8~9gとなります。もちろん、主食となる米・パン・パスタ・うどんなどにも多少のたんぱく質は含まれていますので、毎食きっちりと摂れなくても構いません。どれかに食材が偏ることなく、食べられるものの中で何通りも組み合わせてあげることで、たんぱく質のバランスも良くなり体を作る働きの向上も期待できます。
乳製品や大豆加工品などのたんぱく質含有量をご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

 

<たんぱく質含有量(1食あたりに使う食材量で換算)>

プロセスチーズ20g 5g
牛乳100ml 3g
ヨーグルト50g 2g
スキムミルク(脱脂粉乳)5g 2g
しらす10g 4g
小えび2g 1g
ツナ20g 3~4g
納豆50g 8g
水煮大豆30g 4g
高野豆腐(乾燥)4g 2g
きなこ5g 2g
油揚げ10g 2g
生揚げ、厚揚げ20g 5g
木綿豆腐40g 3g
絹豆腐40g 2g
豆乳(無調整)100ml 4g

お子さんの身長や体重の伸びが悪くなければ、細かく気を付けなくても大丈夫ですので、あくまで参考として数値は捉えてくださいね。

 

そして、一番大切なことは、ご家族で食事を楽しめる環境づくりです。手の込んだものではなくてもいいので、主食・主菜(メイン料理)・副菜(野菜などのおかず)・汁物に少しずつ、上記のようなお子さんが食べられる食材を使うようにしてあげてくださいね。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。