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この献立であれば、エネルギーやたんぱく質は十分。同じ食材でもベースの味付けを変えてみて
お子さまの好き嫌いがあるなか、いろいろと考えて食べられるものを上手に取り入れていると感じました。
1歳児から2歳児になると、必要とされるエネルギー量に合わせ、栄養素も多く必要になってきます。ですが、たんぱく質については、体重あたりの必要量が減るため、1日で摂りたい量はあまり変わらないのです。
<たんぱく質について>
あげていただいた献立を大体の量で栄養計算してみたところ、エネルギー:約1,000kcal、たんぱく質:38g、食塩相当量:1.5gという結果でした。(商品名の記載があるものはサイトから栄養価を把握/調味料については記載なしのため含めず)
この数値は、いずれも2歳女児に必要な量を満たしています。むしろ、たんぱく質については2倍近くとれていますので、これ以上意識して増やす必要はないと感じました。また、多いといっても摂りすぎとまではいきませんので、ご安心くださいね。
<塩分について>
また、塩分については、まったく味付けしていないのであれば、調味料を使って味付けをするようにしてみてください。料理のレパートリーが多くなくても、味のベースを醤油、味噌、塩、ケチャップなどに置き換えるだけで違った料理として味わうことができますよ。できるだけ幼少期にいろいろな味に触れさせておくと、味覚が発達するといわれています。
ただし、2歳児の食塩摂取の目安は3.0g未満、3~5歳児でも3.5g未満となっていますので、決して大人と同じ味付けにはしないことをおすすめします。2歳児の場合は、1食あたりの食塩相当量は1g未満が理想的。間食にも塩分が含まれていることを考慮すると、もう少し少なめにしてようやく基準に収まるのではないでしょうか?
調味料の塩分量については、こちらも参考にしてみてください。
もし、保育園などで給食を食べているのであれば、そのような数値に収まるよう、薄味に仕上げているはずです。ですので、ご家庭で濃い味付けに慣れてしまうと、給食の味を物足りなく感じてしまい、あまり食べなくなってしまうことが考えられますのでご注意くださいね。
<外食などの利用について>
外食については、子ども向けのメニューであっても塩分が多く含まれていることがあります。ときどき利用する分にはよいですが、味を見て大人が十分に塩気を感じるものについては減らし、外食以外の食事では調味料の使用が少なくて済むメニューを取り入れて調整してみるとよいかと思います。その日のうちに調整できなければ、翌日にやってみてくださいね。
レトルトや総菜を利用する場合は、パッケージに表示されている食塩相当量(塩分量)を確認して少ないものを選んだり、次のようなひと手間を加えてみるのはいかがでしょうか?
- 豆腐をすり潰して和える ➡ 白和え風(物足りなければ、すりごまで香りをプラス)
- だしと一緒に煮込む ➡ だし煮(煮汁に塩分が出てくるので、煮汁は少なめに)
- 細かく刻んだり、ほぐしてひき肉と混ぜ、焼く ➡ つくね、ハンバーグ風(崩れやすければ片栗粉をプラス)
こうすると、一から手づくりするよりも簡単ですし、市販品の濃い味が抑えられ、いつもと違う味も経験させてあげられるかもしれませんよ。(お浸し、きんぴら、煮物などをイメージして提案しています)
<鉄について>
最後に鉄分不足についてですが、今回の献立では必要量にやや足りていないことがわかりました。できれば食材(レバー、あさり、しじみ、青のりなど)から摂ることが理想的ではありますが、お子さんが食べてくれないのであれば、手軽に摂れる商品を利用してもよいかと思います。ただし、あまりにも摂りすぎにならないよう、補助的に利用するようにしましょう。
現在はいろいろな情報が手に入りやすくなっているため、あれもこれも気にしなくてはならないので、食事の管理はとてもご苦労だと思います。ですが、お子さまの様子を見ていて、食べられるものがあるか、食事の時間を楽しみにしているか、成長が大幅に止まっていないかといったことを大きな指標としていれば、そこまで大きく問題はないのでは?
さまざまな経験を積み重ねたり、お子さんの気持ちや安心感が変化することで、食べられるものは日々変化するものです。その点を頭に入れておけば、一喜一憂することも少なくなるかもしれませんよ。
ご紹介した内容でできそうなものについては、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね!
<参考資料>
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書/2 乳児・幼児/厚生労働省
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。