風邪のサインの見つけ方

今日は熱っぽいな、鼻がグズグズするな、など大人は自分で風邪の引き始めのサインに気づくことができますが、子どもはなかなか気づくことができません。 そこで今回は東洋医学の観察法のひとつ、「望診(ぼうしん)」を使って、子どもの風邪のサインを見つけてみましょう。

顔から分かる健康チェック法

望診(ぼうしん)法では、顔色や顔にあらわれた吹き出物などの位置で、体の不調や健康をチェックします。漢方の処方でも使われたりしますが、西洋医学が主流になる前は、お母さんやおばあちゃんが子どもや孫の顔色をみてケアをしていたので、「おばあちゃんの知恵」ともいえますね。

免疫力が低下した時のサイン

風邪を引くときの多くが、免疫力が低下しているときです。では、その時にどんなサインが顔にあらわれるのかをみていきましょう。

 

唇からの「胃腸」のサイン

唇は消化器官の入り口で、胃腸の不調が出やすい場所になります。胃腸が疲れているときは、唇が荒れたり、乾燥したり、吹き出物が出たりします。また、免疫力が低下すると写真のように唇が赤みを帯びた色になります。

 

赤みを帯びた唇

小鼻と頬からの「気管支・肺」のサイン

鼻は呼吸器官の入り口で、小鼻の周り、頬には、気管支や肺の不調が出やすい場所になります。負担がかかりやすいときは、小鼻や頬が赤みを帯びたり、乾燥したり、吹き出物が出たりします。

 

小鼻と頬の赤み
頬の吹き出物

オムツからのサイン

うんちやおしっこにあらわれるサインもあります。免疫力が低下してくると、うんちやおしっこが滞りやすくなります。オムツを使っているお子さんは、替える回数が少ない、いつもより軽い(量が少ない)など、トイレのお子さんより観察しやすいと思います。

免疫力を高めるためにできること

こういったサインを見つけたり、子どもが疲れていたりするときは、免疫力を高める工夫をしてあげましょう。

 

  • 睡眠を大切に

    早めに寝かせてあげたり、お昼寝の時間を長くとったりするようにしましょう。

  • 消化に優しい食事を

    消化の負担を減らすと、その分身体の治そうとする力が増えます。

  • 身体を温める

    手足を触って冷たいときは、いつもより厚めのパジャマや、湯たんぽを使って温かくして寝させてあげましょう。

  • 甘いものやジュースを控える

    お菓子やジュースなど糖分が高いものは、免疫力を下げるため控えましょう。

 

 

風邪の引き始めにできること

にんにく、ねぎ、唐辛子は体を温める食材の代表です

風邪の引き始めに葛根湯(かっこんとう)という漢方が用いられることがあります。この葛根湯には葛、しょうが、シナモンが含まれており、身体の温め、発汗などに作用してくれます。免疫力が低下したときは、これらの食材の中からお子さんが食べやすいものを選んで、定番メニューにしておくとよいでしょう。(例:豆腐と野菜のしょうが葛あんかけ、ねぎみそ雑炊、りんごの葛煮シナモンかけ、いとこ煮)

 

温め・発汗を促す食材 ねぎ、しそ、しょうが、にら、みょうが、にんにく、大根、葛、シナモンなど
利尿を促す食材 ハト麦、玄米、あずき、黒豆、えんどう、白菜、のり、昆布、わかめ、あさり、夏野菜(きゅうり、トマト、とうもろこし)など
免疫力を高める食材 梅干し、大根、かぼちゃ、長芋、青菜など
体内の炎症に働く食材 ひえ、あわ、豆腐、キャベツ、白菜、ごぼう、チンゲン菜、ほうれん草、冬瓜、なす、もやし、れんこん、海藻、柿など