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心と体の健康のためにも、食事や運動の改善に努めましょう!
お子さんの体重は、現時点で「太り過ぎ」*に該当します。
(* 母子手帳などに掲載されている乳幼児身体発育曲線以外に、カウプ指数による数値も参照した結果)
体重の増加は、いつからでしょうか?
生まれた頃から大きめの体格で、乳幼児身体発育曲線と同じようなカーブをたどってきたのか、それともある時期から徐々に曲線から離れだしたのかによって、対処が変わります。
前者であれば、体調に問題が見られなければ様子をみてあげましょう。もう少し月齢が進んでいくと、身長の伸びが増えて体重の増加が落ち着く可能性があります。
後者であれば、食べる量に対して動いて消費する量が少ないことが考えられます。ただし、食事内容を見る限りでは、食べ過ぎと言えるほどの量ではないので、食事制限は不要です。(育ち盛りの時期では、余程のケースでなければ行いません。)
また、短期間であまりにも急激な増加があった場合には、疾患が隠れていることもあるので一度受診してもいいと思います。
少しでも体重の増加を緩やかにしていきたいのであれば、次のようなことを取り入れてみましょう。
<食事のポイント>
夕食が19時を過ぎる場合
食事よりも早い時間(おやつと夕食の間くらい)におにぎりや麺類などの主食だけを食べさせて、夕食時には主食以外のおかずや味噌汁を提供するようにしましょう。胃の中がいっぱいの状態で眠ると、消化にエネルギーが優先され、体の修復や疲労の回復などが十分にできない可能性が考えられます。それによって、翌朝すっきり起きられなかったり、体調に支障が出る心配があります。
また、甘味のあるヨーグルトや果物は付けなくてよいです。夕食で糖分を摂るほど、消費されず脂肪として蓄えられやすくなることも考えられます。
濃い味の食事について
味付けがしっかりしたものは、2歳児には早いです。食材そのものの風味やうま味などを感じにくくなり、偏食しやすくなる心配があります。また、味付けが濃いと食が進みやすくなるので、食べ過ぎてしまうことにも繋がります。2歳児の塩分摂取目安は、1日3.0g未満です。1食あたり1.0gは、濃口醤油や味噌に置き換えると小さじ1杯ほどとなっています。大人が料理を味見して「少し塩味を感じる程度」になるよう、出汁を加えて薄め、塩分を含む汁などの量を減らしてみましょう。
<運動のポイント>
遊ぶ時間の目安
文部科学省が策定した「幼児期運動指針」によると、毎日合計60分以上楽しく体を動かすことが望ましいとされています。できれば公園などの広くて安全な場所で走り回ったり、そこへ行くまでの道のりを一緒にスキップしたりして移動すると、運動時間を増やしやすくなりますよ。
お出かけが難しいときは、室内で音楽や映像に合わせて一緒にダンスをしたり、布団の上で四つん這いになった大人の体を登ったりくぐらせたり、マット運動の練習などをしてみるのもいいですね。(転がって遊ぶだけでも◎)また、風船を膨らませて、バレーボールに見立てて打ち合いっこをするだけでも室内でたくさん体を動かすことができますよ。
とくに、体を動かす時間を積極的につくることは、肥満を解消したり体を健康に保つだけでなく、意欲的な心を育てたり、認知能力や社会適応力の発達にも影響を与えます。ただし、時間をこなすことばかりに目を向けてしまったり、仕方なく親が付き合うような姿勢で取り組んでしまうと、そのような成果が得られにくいだけでなく、子どもが楽しめず続けることが難しくなってしまいます。ぜひ、ご紹介した以外のことでも構いませんので、親子一緒に楽しめるものや、お子さんが気に入ったものを笑顔で習慣化してみてくださいね。
<そのほかのポイント>
肥満の一因に、睡眠不足も挙げられます。一説には、2歳児であれば10時間ほど睡眠時間を確保するのが理想と言われています。もちろん、ご家庭の就労状況などによっては、寝かしつける時間が遅くなることも考えられますが、食事の準備・片付けなどはできるだけ簡単に済まし、調整できるようにしてみてください。とくに、準備については、いつも似たようなメニューを食べてくれるのであれば、多めに作って冷凍保存し、それを温めるだけですぐに食べられるようにしてみてはいかがでしょうか?冷凍したものをあまり食べたがらない場合は、具材だけを朝に刻んで冷蔵しておき、少しでも早く調理できるようにしてみましょう。また、カット済みの食材を購入するのもいいかもしれませんね。
具体的な時間や数字を提示してしまうと「絶対、こうしなくては」と捉えがちですが、これらはあくまでも目標です。無理が生じてしまったり、そのせいで焦ってイライラしてしまうのであれば、必ずしも実践すべきことではありません。ただ、今の状況を変えたいのであれば、できるところからやり方や考え方を変えていき、少しづつ取り組んでいってほしいと思います。体を動かす時は、お子さんと一緒に楽しむことを忘れずに!大人もストレス発散の場として活かしていきましょう!
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。