オランダ編<br>
<font>~世界一のっぽさんの国なのに、お昼はサンドイッチだけ?~</font>

オランダといえば、小学校の教科書で読んで以来、堤防の決壊に気づいて、決壊場所を一晩中自らの手で食い止めていたというハンス少年の物語がとても印象に残っています。オランダの約4分の1は海より低く、国土のほとんどは干拓地で成り立っています。オランダの景色を彩る風車は、実は、浸入してくる水をかきだすために存在しているのです。九州ほどの面積ですが、オランダは、世界有数の農業国。狭い国土ながらも、農産物の輸出額において、米国に次ぎ世界第2の地位を誇ります。(*1)

日本人男性がオランダで苦心すること

オランダに行ったことのある日本人男性がびっくりするのが、トイレの小便器の高さ。オランダ人は世界一の長身国で、男性の平均身長は、183㎝!当然、日本人男性は、用を足すときに苦労するのだそうです。それほど身体の大きなオランダ人ですが、お昼は、家でつくってきたようなサンドイッチを食べている人が実に多いのです。そんな少しでその体格を維持出来るのかな?と首をかしげるほどです。オランダ人は、朝は甘いものとコーヒー、昼はサンドイッチ、そして夜にあったかい食事を食べるそう、夜にガッツリ食べるのでしょうね。オランダ人の不思議です。特産のチーズや乳製品をたくさん召し上がるからでしょうか。エダム、ゴーダなど、オランダの地名がついたチーズは、おなじみですね。

 

world007_01
写真左:オランダには背の高い人が多い
写真右:農家がチーズと毛皮を売っている週末マーケット

コロッケの自動販売機

チーズに加え、ハムやじゃがいもや黒パンが主食。特に、街にはたくさんのフレンチフライの店があり、マヨ ネーズをつけて食べるのが一般的です。そして、クロケット、俵状のポテトコロッケです。おもしろいのが、クロケットの自動販売機があちこちにあることです。自動販売機といっても、コインを入れて小窓のついた棚からコロッケを取り出すだけのローテクなのですが、オランダならではの食文化です。もう一つは、 生にしん。市場などで、おじさまたちが、尾の方を持ち上げて、ぺろりと丸呑みのように食べる様も、オランダ独特ですね。

 

world007_02
写真左:フライドポテト屋さん
写真右:コロッケの自動販売機

子どもの幸福度は世界一

world007_03
書店に並ぶ乳児食の本
world007_04
空港で遊ぶ子どもたち

ユニセフやOECDの「子どもの幸福度調査」によると、オランダは、ほぼ常連に1位としてランキングされています。5歳を過ぎると義務教育がスタートするそうですが、学校選びは、学区や制度ではなく、子どもや両親の自由に任せられており、自分にあった教育方針や内容の学校を選ぶことができます。オランダは、安楽死も認められ、マリファナがコーヒーショップと呼ばれるカフェのようなバーのような店で売られるなど、非常に自由な国です。ただ自由なだけでなく、 ニューヨーク以上の人種のるつぼと言われるほど移民も多く、また、人口密度も高いので、自由の中にも他を認め合う寛容さも併せ持っています。人と違っていて当たり前という考え方がベースにあり、オランダの子どもたちは、のびのびと育っているように感じます。


world007_05
アールスメアの花市場

(*1) FAO(世界食糧機関)発表のデータによる。

ただし、このデータにはオランダに輸入され、その後輸出される農産物も含まれる。世界一大きな花市場、アールスメアの市場は有名。世界中から集まった花がオランダから輸出されていく。