モンゴル編<br><font>~きらきらネームはつけない。そのワケは~</font>
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どこまでも続く大草原。人が見当たらない。

大草原、遊牧民、ゲルと呼ばれる円形の住居、チンギス・ハーン、横綱・・・モンゴルと言えば、たくさんのことが思い浮かびます。それだけ固有の文化や歴史を持つ国です。日本の4倍の面積に、300万人の人口。どこまでも続く青い空と地平線、ただただ広い草原に住むモンゴルの人々は、大柄で頑強な体つきです。人間だけでなく、何もかもが大きい。草原の中に、チンギス・ハーンの像が立つ公園があるのですが、その像は、笑ってしまうほど“デカい”のです。

肉食系。でも夏は、乳製品

冬は、気温がマイナス40℃くらいになる厳しい気候の中、筋肉質ゆえか、遊牧民の食習慣の流れを汲むのか、モンゴル人は肉をたくさん食べます。羊が中心で、肉が主食です。冷涼で乾燥した気候なので、小麦や雑穀、じゃがいもなどが副食的に食べられます。最近では、政府が主導して、お米や野菜の栽培にも力を入れているそうですが、きっぱり!肉食系です。肉と同様、乳製品もよく食べて、ヨーグルトや有名な馬乳酒もあり、チーズの種類も豊富。遊牧民は、家畜が草を食べてお乳をたっぷりだす夏の間は、このような乳製品を食べて、肉は食べません。そして冬には、春から秋の間に肥えた家畜を干し肉などに加工したものを食べるのだそうです。

 

市場の中。乳製品も豊富で、なんでも手に入る品揃え。
市場の棚、これ全部チーズです
チーズを作っているところ
ゲルの中で馬乳酒をいただきました。酸っぱい!

今では、モンゴルも都市化が進み、半分以上の人が首都ウランバートルに住み、伝統的な食文化を守っている遊牧民は減少の一途です。ウランバートルでは、食材は多種多様なものが手に入り、街を歩けばモンゴル料理はじめ、さまざまな料理の外食店があり、食生活はダイナミックに変わっています。中国の影響も強いのですが、ロシア式の餃子や酢キャベツなども多く、東西融合の食文化がとてもユニークでとてもおいしいです。

 

住宅が密集している首都ウランバートル
ウランバートル郊外ではゲルと現代風建物が混在しています

かわいい子どもは、悪魔にとられるという迷信

子育てについては、おもしろい逸話があります。かわいい子どもは、悪魔にとられるという迷信があるようで、子どもには、可愛い名前を付けないということと聞きました。また、子どもを呼ぶときも、「かわいい○○ちゃん」というような呼び方をせず、「ぶさいくな○○ちゃん」と呼ぶのだそうです。おそらく、厳しい気候ゆえに、乳幼児死亡率も高く、昔は、幼い命が絶たれることも多かったのでしょう。子どもを無事に育てようという親や家族の気持ちの表れであろうと思います。ですから、知らない人に子どもを見せたり、むやみに外に連れ出したりということをしないそうです。

 

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女性もバリバリ働くモンゴル。高層ビルもどんどん建設中です。

教育は、小中高の10年制がとられています。女性の方が高学歴で、大学進学率は女性のほうが圧倒的に高いと聞きました。男は仕事が得やすいけれど、女は教育をつけなければ仕事に就けないという考えからです。よって、バリバリ仕事をしている女性も多いです。子どもは、たくさんの家族で面倒をみるという考えで、女性は安心して、外で仕事もできるというわけです。