皆さんこんにちは、HAPIKU公認の管理栄養士の山田です。
夏はプールやキャンプなどのレジャー施設を利用したり、少し遠い場所まで旅行をしたりと、おでかけが楽しい季節です。この夏はお子さまたちと、どのような楽しい思い出をつくられましたか。
まだまだ厳しい残暑が続きますが、ぜひ心がけていただきたいのが「規則正しい生活」です。
おでかけが重なると、睡眠時間がズレたり食べ過ぎで胃腸が疲れたりと、生活習慣の乱れが起こりやすく体調不良につながる可能性が高まります。とくに夏は暑さもプラスされるため、とくに注意が必要です。
休日の予定を全力で楽しむためにも、いまのうちから生活リズムを整えておきましょう。
今回は、暑い夏に押さえるべき「規則正しい生活」のポイントをご紹介します。
食生活で心がけていただきたいポイントやHAPIKUのおすすめメニューなどもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください♪
「規則正しい生活」で心がけたい3つのポイント
「規則正しい生活」でとくに心がけていただきたいポイントは、ズバリ「睡眠・運動・食事」の3つです。それぞれのポイントを押さえておきましょう。
① 睡眠は「質」と「量」に気をつける
就寝時間が遅くなると朝起きる時間も遅くなりがちです。朝ごはんを食べ損ねてしまえば、日中の活動量にも影響が出ます。
また、起床時間や朝食時間のズレは、お子さまの保育園での過ごし方に影響が出たり、お昼ごはんがしっかりと食べられないことにもつながるでしょう。保育園の喫食時間は決まっているため、せっかくの栄養満点のメニューも満足に食べられなくなってしまいます。
睡眠不足を確認するポイントの1つに「週末の起床時間」があります。
週末の起床時間が平日に比べて3時間以上遅い場合は、睡眠不足になっていて本能的に足りていない睡眠時間を補おうとしていることが考えられます。週末に起床時間がずれてしまうと、夜に眠れなくなったり月曜日の朝すっきりと起きられなくなったりすることが起きるため、お子さまに睡眠不足の兆候が見られたら早めの就寝を心がけましょう。(※1)
とはいっても、ママさんパパさんの帰宅・保育園のお迎えが19時を過ぎて、夜ごはんやお風呂を済ませると21時を回っていた!というご家庭も多いかと思います。
そこで押さえておきたいのが「就寝直前の行動」です。
目を駆使するゲームやテレビは極力控えて、寝る前に絵本などのお話を読み聞かせる習慣をつけると心が落ち着きリラックスして眠れます。「読み聞かせの時間=もうすぐ寝る時間」と意識づけができれば、お子さまの心の準備につながり、すんなりと睡眠に入れるでしょう。
睡眠時間はもちろんですが、お子さまの睡眠の質を高めるための工夫も大切です。
② 日中はアクティブに活動する
日中はできるだけ、からだをたくさん動かすのがおすすめです。
運動をたくさんすると体力がついてきて昼寝時間が短くなっていき、保育園では年齢が上がるにつれてお昼寝タイムが少なくなるのが一般的です。
体力がないと1日の終わりまで元気に過ごすことができないため、途中で眠くなったりみんなと一緒に行動するのが大変になるお子さまも出てきます。
また、からだをよく動かすと、お腹が空いてしっかりと食事ができることにもつながります。さらに、適度な運動は寝つきが良くなり深い睡眠が得られるなど嬉しい効果も期待できます。(※2)
週末一緒に過ごされる際は、日中は運動やからだを使う遊びなどで十分にからだを動かし、睡眠や食事などに良い影響が出るようにしましょう。
③ 栄養をバランスよく摂る
規則正しい生活には栄養バランスも重要です。とくに心がけて摂ってほしい栄養素は「3種類」あります!次の栄養素はしっかりと覚えておきましょう。
この3つの栄養素を積極的に摂ることが、夏を元気に乗り切るために役立つのです。
夏に欠かせない栄養素にはどんな効果がある?
たんぱく質やビタミンB群、ビタミンCには、さまざまな働きがあります。そのことを知ったうえで多く含まれる食材を選ぶようにすれば、夏の暑さに負けずお子さまも元気に過ごせるようになるでしょう。
【たんぱく質】からだのリズムを整えて筋肉量を増やす
たんぱく質は、主に肉や魚、大豆製品、卵などに多く含まれています。たんぱく質は3食でバランスよく摂るのが理想ですが、なかでも朝食で意識して摂ることがおすすめです。
たんぱく質はアミノ酸で構成されていて、からだのリズムへの関与が深いメラトニンをつくるためには、アミノ酸の一種である「トリプトファン」が欠かせません。トリプトファンを多く含む卵や大豆製品、乳製品を朝食時に積極的に摂ることで、夜間のメラトニン分泌量が増加することがわかっており、お子さんのよりよい眠りにつながります。(※3)
たとえば、朝食に目玉焼きを食べたら、ヨーグルトやチーズ、牛乳、納豆などを組み合わせて、たんぱく質とトリプトファンがたくさん摂れるようにしてみてはいかがでしょうか。
なお、朝食にだけたんぱく質が十分に摂れていればよいかというと、そうではありません。たんぱく質が1食でも不足すると、筋肉量の低下につながる危険性が高い研究結果も出ています。(※4)お子さまの睡眠サイクルを正常化し、からだのリズムを整えて日中に十分な活動をするためにも、3食それぞれで必ずたんぱく質を摂ることも忘れないようにしましょう。
【ビタミンB群】エネルギーに効率よく変換して疲労を感じさせない
ビタミンB群は、主に豚肉やレバー、豆腐、枝豆、胡麻などに多く含まれています。ビタミンB群は、活動するのに十分なエネルギーを作り出すために必要な栄養素です。
なかでも、ビタミンB1は、食べものから得た糖質をエネルギーに変換したり疲労回復効果が期待できます。(※5)
ビタミンB1が不足している人と習慣的に摂取している人とを比較したところ、不足している人の方が運動後に疲労を感じる割合が多いといった研究結果があります。(※5)
活動量が増加するだけでなく暑さによる体力消費が加われば、いつも以上に疲労を感じるようになってしまい、お子さまが急にダウンしてしまう可能性も高まります。お子さまが疲労を感じにくいからだづくりができるよう、ビタミンB群が豊富に含まれた食品を積極的に料理に取り入れるようにしましょう。
【ビタミンC】風邪に負けないからだづくりをサポートする
ビタミンCは感染症予防に欠かせない免疫力を高めてくれる栄養素で、不足すると夏であっても突然、風邪のような症状を引き起こしてしまうことがあります。ビタミンCは主に野菜や果物に多く含まれている栄養素なので、トマトやかぼちゃ、オレンジなどの柑橘類、パイナップルなどを積極的に食べるのがおすすめです。
また、本来ビタミンCは熱に弱いとどこかで聞かれたことがあるかもしれませんが、実はジャガイモやサツマイモに含まれるビタミンCは、電子レンジで温めたり蒸し器で調理をしても、ビタミンCの減少がほとんど見られません。そのため、ポテトサラダなどにして食べることでも、ビタミンCを摂取することができます。(※6)
ただし、栄養素だけに着目しても食欲がなければ「食べる」こと自体が難しくなってしまいます。そこで、食欲をなくさないためにできる工夫をご紹介します。
食欲をなくさないための3つの工夫
料理にひと工夫するだけで、お子さまの食欲をなくさずに暑い夏を乗り切れるようになります!ここでは、食欲をなくさないための工夫を3つご紹介します。ぜひ取り入れてみてください。
工夫➀ 酸味をうまく利用する
レモンやお酢の酸味を加えると、さっぱりとした風味が楽しめます。それに加え、酸味は口の中のだ液の量を増やす作用があり、それが脳への刺激となって食欲を高めてくれるのです。
ちなみに、レモンなどの柑橘類にはクエン酸という酸味のもととなる成分が多く含まれています。このクエン酸には、運動などをした後にからだの中にたまる疲労の原因物質を減らす効果が期待できます。実際に、運動後にクエン酸を摂取したところ血中の疲労の原因物質が減少したケースも報告されています。(※7)
適度な酸味は、食欲だけでなく疲労回復にも効果があるのは嬉しいですね。なお、酸味が苦手な場合は、砂糖などの甘味を多めに加えると、まろやかになって食べやすくなります。
工夫➁ 香りの効果を活用する
香り豊かな食材を使って料理にアクセントを加えるのも1つの手です。たとえば、これらの食材は普段皆さんもよく使われますよね。
しょうがは、からだを温める効果が有名ですが、じつは食欲増進効果も期待できる食材です。また、にんにくは疲労回復をサポートしてくれる成分が含まれています。
カレー粉は辛味成分が入っているものが多いので、お子さまの食事に使用する際は、「風味付け程度」を心がけましょう。
保育園の給食でなかなか出ることがない大葉やみょうがは、ぜひご家庭で食べていただきたい食材です。ただし、みょうがは小さなお子さまには刺激がやや強いため、3歳を過ぎた頃から加熱したものを少しずつ与えてくださいね。
ちなみに私の娘は、3歳の頃から「大葉」や「みょうが」を食べ始めましたが、喜んで食べています。大人な風味で独特の味なので3歳には厳しいかな?と思ったのですが、意外にも「おかわり!」の声が聞けました。
大葉は細かく刻んで鶏肉と混ぜて揚げ焼きにしたり、みょうがは卵スープに細かく刻んで入れたりしています。混ぜる作業は小さなお子さまでも簡単にできるので、できたものを食べさせるだけでなく、食材そのものに触れる機会をつくることもできますよ!
こういった食材を活用してお子さまの食欲を増やすのももちろん大切ですが、料理体験を通してお子さまの食への関心や食べる意欲を高めてあげることもおすすめします。
工夫➂ 冷たいメニューを挟んでメリハリをつける
気温が高い日には、冷えたメニューを取り入れてからだの内側から冷やすのも暑い夏を乗り切る方法の1つです。
たとえば、冷やし中華やいろいろな具材をのせた冷やしうどんのように喉ごしがよくて食べやすい料理がおすすめです。よく冷ました麺類と一緒に野菜や肉、卵などのたんぱく質食材を食べれば、からだのほてりを落ち着かせるだけでなく栄養補給もできます。
ただし、冷たいメニューの食べ過ぎには注意してくださいね。子どもは大人に比べて消化器官が未発達です。冷たいものばかり与えてしまうと、お腹が痛くなったり下したりすることがあります。
冷えたメニューを取り入れたときは、冷たいドリンクは避けて常温の飲み物を用意するなど、口にするものが冷たいものばかりに片寄らないように気をつけましょう。
【管理栄養士が選んだ】夏に食べたいHAPIKUのおすすめメニュー3選
「食欲をなくさないための3つの工夫」を参考に、HAPIKUのおすすめメニューを3つ厳選してご紹介します!夏だけでなく、1年中楽しめるメニューばかりです。
さっぱりしてきゅうりの食感も楽しい
きゅうりとひじきの酢の物
ビタミンB1が豊富な胡麻と、ミネラルや食物繊維が豊富なひじきが一緒に食べられる夏にぴったりの副菜です。ツナから出る旨みも合わさり、さっぱりとした風味だけでなく食べごたえもあるのが嬉しいポイントです。
にんにくやカレー粉の香りが食欲をそそる
鶏肉のカレー焼き
漬け込んでやわらかくなったお肉と皮のパリっとした歯ごたえが楽しめます。しょうがやにんにく、カレー粉の香りが合わさり、暑い夏でも食欲が湧く一品です。
夏野菜のとうもろこしと枝豆が彩る、夏バテ予防におすすめのスープ。コーンの甘味とだしの旨み、濃厚なミルクがマッチした、ひんやり感が嬉しいスープです。
暑い夏に食べたい食材【そうめん】に注目!
暑いときにおすすめしたいのが、「そうめん」です。
そうめんは古代中国から伝わり、「そうめんを七夕の日にたべると大きな病気にかからない」として、日本では平安時代の頃から七夕の日に食べる風習があったそうです。(※8)
そうめんは消化に良い食材なので、暑い夏でも食べやすいのが嬉しいポイント。冷たい汁で食べればひんやりとしてからだの熱を冷ますことができます。
オクラを輪切りにすると星型になりかわいいトッピングができますよ。星型人参と一緒に入れれば、七夕をモチーフにした「そうめん汁」の完成です。
HAPIKUでは、おすすめのそうめんメニューを掲載中。ぜひチェックしてみてください♪
夏の食生活のポイントを押さえて、規則正しい生活を心がけてみましょう!
夏の暑い時期には、とくに規則正しい生活が大切
睡眠の質や量、運動時間などをしっかりと確保し、暑さに負けない疲れにくいからだづくり!
夏はたんぱく質やビタミンB群、ビタミンCを中心とした食事に
たんぱく質でからだのリズムを整えて、筋肉量を増やす!
ビタミンB群で活動するためのエネルギーをつくり、疲労も回復!
ビタミンCで免疫力を高める!
レモンの酸味やしょうがなどの香り成分、ときには冷たいメニューを取り入れる
食欲が出て食べ進みがよくなることを期待!
食事や睡眠などポイントを押さえて、家族みんなで暑い夏を乗り切りましょう!
次回のコラムでは、暑い時期に欠かせない「水分補給」のポイントについてお伝えさせていただきます。
「こういったことも聞いてみたい」など、ご質問やご要望がございましたらお気兼ねなくお問い合わせからご連絡くださいませ!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!