Q

極度の偏食で全然食べません

とにかく偏食が激しくてまったくごはんを食べず、うんちも1週間に1回出るか出ないかというくらいになってきています。日に日に食べられる種類が減っていき、最初のころはお肉、ハンバーグ、魚フライ、エビフライ、カレー、親子丼、麻婆豆腐、味噌汁、チーズなどを食べられていたのですが、今ではまったく食べません。親子丼はにんじんのみ、フライ系は衣のみ、ふりかけおにぎりにしても見向きもせず、うどんは数本食べてあとはおつゆのみ、ウインナーもある程度噛んでは口から出す、味噌汁は豆腐1切れ、ヨーグルトも半分食べるか食べないか。このように、え?何を食べた?というぐらいの量しか食べません。今ではカレーや麻婆豆腐などごはんにおかずをかける系の料理、肉炒め、麺類、揚げ物系はまったく食べなくなりました。何をあげたらよいかわからなくなり、完全にお手上げ状態です。唯一食べられるのが焼きそばの麺のみで、本当にどうしたらよいかわかりません。
園でも残してばかりであまり食べている様子もないです。おやつはしっかり食べているらしいのですが、パンケーキ系のものだと残すみたいで、おせんべいしか食べないとのことでした。朝ごはんもパンなら食べるのですが、イチゴジャムをつけた食パンを3等分にして渡すと、食べ切るときもあれば、噛んで出して終わりという日もあります。そのときは気分ではなかったのかなと思ってスティックパンをあげたり、卵焼きやおにぎりを作りますが食べません。
ごはんのときに親がスプーンですくってあーんと言うと、叫んで怒りながら渋々口を開けて食べてくれるか、食べたとしてもべっと出します。これはもう年相応のことで仕方がないのでしょうか。他の方が同じような相談をされているのを見ても、うちの子より食べられているからなぁ…と思ってしまう自分が嫌です。
(3歳2か月・男児)

A

状態によっては医療機関を受診。今は食べさせることよりも、食への興味を高める工夫から取り入れてみて。

ほとんど食べられるものがないということで、大変お困りの様子が伝わってきました。便秘の状態が酷そうなので心配ですが、最近のお子さんの身長や体重の変化は、いかがでしょうか?もし、今までの成長具合と比べて極端に伸び悩んでいる(月齢ごとの数値を線でつないで角度に変化がほとんどない、右肩下がりになっている)のであれば、今後、医療的な支援も必要となる可能性があります。ただし、そこまでではない、もしくは小児科を受診済みだというのであれば、今は少しでも食べられるものを探っていかなければなりませんね。

 

お話を伺っている限りでは、お子さんは食べることが面倒、もしくは食べることに興味がなくなっていることが考えられます。お子さんに何が食べたいかを尋ねると、何かしらリクエストは出てくるでしょうか?もし「食べたい」というものがあれば、何でもよいので用意してあげましょう。

その際に食べなかったり、口から出してしまったとしても、叱ったり注意するのはNG。なぜなら、そういった経験が重なっていくことで、食事=嫌な時間という意識が強くなってしまうからです。「食べたい」という気持ちはその瞬間のものであって、そこから食べるまでの間に気分や体調が変われば、「今はいらない」となることもあります(大人でも同じことがあると思います)。そこを想像せずに、なんで食べないの?食べないならもうあげないよといった責めるような口調や態度で接してしまうと、お子さんは「もういいや」といった諦めの気持ちになってしまうかも……。

1日のうちで限られた食事の時間です。その短い間だけでも、できるだけ子どもの意思を尊重してあげてはいかがでしょうか?まずは好きなものだけでもいいので、食事=楽しい時間、にしてきましょう。食べられるものや量が増えてきたら、次のステップに進みましょう!

 

すでにこのようなことを実践している場合は、目線を変えて食材に親しむ時間を増やすことも一案です。
● プランターで種や苗から野菜を育ててみる
● 栽培が難しければ、畑で育っている様子を見に行ったり、絵本や写真を通じて見て学ぶ
● 一緒に買い物に行き、使う食材を選んでもらう
● 食材を触ったり、細かい特徴を見つけたり、においをかいで観察させる(五感を活用)
● 野菜を洗ったり、ちぎったり、簡単な調理の一部を任せる
● 料理に調味料を加えてもらったり、味見をしてもらう
こういった方法をいくつか取り入れることで、何らかのことが原因で薄れてしまった「食への興味」が高まるかもしれませんよ。

 

一方で、おうちの方が焦ったりイライラしていると、それは自然と子どもに伝わってしまうと言われています。ほかのお子さんと食べる量や種類を比較する必要はありません。過去がどうだったという比較もあまり意味がないこともあります。現在とこれからについて目を向けて、お子さんの一進一退を温かく見守る姿勢でいられれば、ご自身の不安を少しでも軽減できるのではないかと思います。

 

ちなみに、ほとんど食べずに一生を過ごす人はいません。好きなものを嫌いになることがあれば、嫌いなものが少しだけ大丈夫になることもあります。その「少しだけ大丈夫」をゆっくり一つずつ増やしていくというイメージで向き合ってもらうと、お子さんの食べる量が変わっていくことに気付きやすくなるかもしれませんね。

変化に気付くまでは辛いし、考え方を変えることは難しいもの。それでも、毎日お子さんが元気で過ごせているという現実に感謝しつつ、食への興味を親子一緒になって高めていってもらえたらと思います。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。