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ひどい偏食で食べられるものが少ない…

3歳半の男の子ですが、2歳半頃からひどい偏食です。離乳食期は嫌がることなく何でも口にしていましたが、現在は食べられないものより食べられるものの方が圧倒的に少ないです。ごはんや野菜を食べないからといって、お菓子が好きなわけでもなく、大人が勧めてみても口にしません。おやつは、決まったメーカーのゼリーとアンパンマンスティックパンを毎日食べています。
現在保育園に通っていますが、おかずやおやつはほぼ口にせず、主食だけ食べて帰ってくることも多く、心配しています。夕ごはんは大人と同じものを出していますが、変わったものを出して保育園でも家でもほぼ食べられなくなるのが怖く、どうしても息子が食べられる献立になりがちです。
食べられるメニューは、カレー(肉は嫌がる)、シチュー(肉は嫌がる)、豆腐、なめこ、麻婆豆腐、ひき肉野菜トマト煮、うどん、そうめん、ミートソースパスタ、親子丼、鮭です。お肉も野菜もごろごろしていると嫌がって食べません。また、お肉を食べると「口が痛い」と言います。過敏な様子から発達障害も疑っています。
保育園でほぼ口にせず帰ってくるので、家ではできるだけお肉や野菜をバランスよく食べてもらいたいのですが、保育園でも家でも食べられないとなるとかわいそうに思ってしまいます。アドバイスをいただけたら嬉しいです。
(3歳6か月・男児)

A

まずは今食べられるものの中でアレンジを。体も育てて少しずつ食べられるものを広げましょう!

2歳半頃から食べられるものが減ってきており、お母様やお父様、保育園の先生方がすすめてみても口にしないとのこと、心配ですよね。できるだけバランスよく、楽しく食事をして欲しいと思うからこそ、食べられるものが限られてしまうと、お母様としても心苦しく感じておられることと思います。

これから体が大きくなっていくはずのお子さんが、食べられるものが少なくなってしまうと体の成長に影響が無いかご心配かと思います。そのときに確認していただきたいのが、成長曲線はどうなっているかということです。成長曲線を下回っていなければ、食べられるものが少なくなっていても、体の成長に必要な栄養は取れていると考えられます。『成長に必要な栄養は取れている』と分かると、少し安心感を持てるかもしれません。ご心配事を1つでも減らせるように、確認してみていただければと思います。

 

離乳食期には何でも食べられていたのに、成長と共に食べられるものが減るということは、実はお口の中が育ち、“これは嫌だな”“これは苦手だな”と好みがはっきりしてくることで起こることもあります。ご相談者様のお子様の場合、味付けや食材の食感等の好みよりも、食材の固さが好みに関係しているように伺えました。柔らかいものを好むこどもの多くは、お口周りの筋肉がまだ未熟で、『噛む』ことが上手くできなかったり、食事の間中『噛み続ける』ことに疲れてしまうことがあります。そのため、様々な食材を試して楽しめる状態に、体が育っていないという可能性があります。すでに試されているかもしれませんが、まずは食材をあえて細かく切ったり、ミートソースやカレーの中に混ぜたりすると、気が付かずに様々な食材を食べられるかもしれません。食事を楽しく、また様々な食材に触れていくために、今はご本人が食べやすい食材の固さに調整してみるのも一案かと思います。

また、柔らかいものを好んで食べる背景には、お口周りや体全体の筋肉がしっかりと育っていない可能性もあります。今は固めの食材が苦手でも、ゆくゆくは様々な食材をしっかりと噛めるように、体の面からもアプローチしていけると良いと思います。体を動かす遊びや、これから暑くなる時期に向けてお水遊びなどの感覚遊びも良いでしょう。また、夜寝る前に手足のマッサージや、頬に触るといったスキンシップもおすすめです。少しずつ体が育っていくと、噛むことが楽にできるようになり、固さへの抵抗感も減っていくかと思いますので、ぜひ試してみてください。

 

食べられていたものが食べられなくなってしまうと、様々な面でご心配が出てくるかと思います。無理にすすめてもとご懸念されているように、食事自体が嫌になってしまうとかわいそうですよね。今は食べられているメニューを中心に、ご家族で楽しく食事ができると良いでしょう。徐々に食べられるものを広げていけるよう、スキンシップや遊びを通して、体も育てていけると良いと思います。

※今回は、一般社団法人ぽけっと【臨床心理士】が回答しました。