Q

離乳食、幼児食に悩んでいます。

離乳食、幼児食に悩み続けています。
過剰なタンパク質や脂質が体に負担になると聞き、勘違いして全て除去してしまい、1歳頃は野菜と白ごはんのみでした。

1歳半頃に勘違いに気付き、慌ててタンパク質と脂質を一気に増やして与えていました。
例えば、タンパク質は以下のように摂取させていました。
 ●朝食  納豆(40g)、卵1個、チーズ、ヨーグルト(100g)
 ●昼食  肉(鶏肉・豚肉 50g)
 ●おやつ ヨーグルト、煮干し(10匹)
 ●夕食  魚(サンマ・鮭・ブリ)

2歳半頃になり、納豆などの大豆製品は発がん性があると聞き、以来大豆製品を除去し始めました。
それまでの1年間は納豆40gを毎日与え続けてきましたが、多すぎでしたか?
発がん性のほかに、イソフラボンの許容量があることも最近知りました。
大人はイソフラボン70mgが限度のようですが、こどもはどの程度かわかりません。
また、同時に魚も発がん性があると言われ、魚もほとんど除去してきました。
そのため、この一年は以下のような食事を毎日続けています。
 ●朝食 卵1個、ヨーグルト(100g)
 ●昼食 鶏もも肉(50g)
 ●夕食 豚もも肉(50g)

ただ、毎日お肉の量が合計100gを超えており、時々昼食も夕食も牛豚肉だらけの時もあります。
さすがにもう1年間このスタイルだと多すぎるのかと心配しています。

赤身肉の発がん性も最近知りました。
小さなこどもにお肉だらけの毎日を続けてきましたが、こどもにも発がん性はあるものですか?
(3歳4ヵ月・女児)

A

基本に返って、食材のバランスを見直しましょう。

いろいろと情報を調べては、お子さんの健康を願って今まで食事内容を工夫されてきたのだと思います。徹底した食事管理に、頭が下がります。

その中で気になるのが、その「情報の発信源の正確さ」です。公の機関が発表したものなのか、とある専門家がwebや誌面上で述べたものなのか、はたまた実在の研究論文を読んで知りえたものなのか・・・

現代は、SNSなども含め、情報が多く出回っています。残念ですが、すべて正しいものであるかは疑問です。まだ、研究段階のもの、一部の事実のみを取り上げてあたかもそれが正しいと拡大解釈されているもの、誤解を招くような表現をしたものなど、読み手次第で伝わり方が変わってしまうこともありうるのです。

そういったことを承知の上で、何を食べるのか選択していくことは個人の自由だと思います。

ただし、忘れないでほしいのは、子どもの食は大人の判断にかかっているということ。

一番成長に栄養素が必要なときに、それが絶対的に不足するような食事を与えていたり、体が消化吸収できる量を大幅に超えて食事を与えていたり、限られた食材しか与えないことは、本当にお子さんにとってためになることでしょうか?

真剣に考えた結果だとしても、この先も情報に振り回されて、そのたびに極端な食事内容を強いていくのだとしたら、「食べる喜び」、「選ぶ喜び」、そういったものを知らないまま育つのは不自由なのではないかと感じてしまいました。

もちろん、実際はそうでないかもしれませんが、今後、給食を食べることになったり、外食や友達だけでおやつを食べる機会が出てきたとき、お子さんにはどのように伝えるのでしょうか?

食の安全を優先するあまり、食事が栄養補給目的ばかりとなってしまうのであれば、こんなに悲しいことはありません。
どんな食材にも、メリット、デメリットは存在します。
しかし、デメリットがあっても、適量であればそれを避けられることは多いです。
実際に、ご質問されている赤身肉についても、一定量以下であれば心配はないといわれているようです。(※1)

「バランスよく食べましょう」という言葉は、そうならないための文言でもあるのです。

具体的な食事のバランスについては、厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準に示されているので、一度ご覧になってみてください。給食の献立などは、実際にそれを参考にして作成されています。(※2)

今一度、どこまで情報が正確で、どんな条件やどれくらいの量からリスクが大きくなるのか、信頼できる情報源をもとに、前後関係も含めて事実確認することをおすすめします。
(なお、海外の情報の場合、日本人の体格や食経験などと条件が異なるため、同じように当てはめるべきではないとされています)
加えて、情報は常に新しくなっていくものです。昨日までは、安全orリスクが高いといわれたことも、今日になったら変わっている可能性もあるのです。そのため、安心安全を追求したいのであれば、常に情報は更新するようにしましょう。

食べることは、生きる上での楽しみの一つでもあります。これだけ食べていればいい、という食材は存在せず、栄養面においても、安全面においても、幅広く食材を取り入れていくことが大切です。
ぜひ、そのことを忘れず、親子でこれからの食に向き合ってみてくださいね。

 

※1 参考URL:「赤肉・加工肉のがんリスクについて | 国立がん研究センター」
※2 参考URL:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 | 厚生労働省」

 

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。