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添加物「加工デンプン」は避けるべき?

加工デンプンはよくないと聞きました。
幼児向けレトルト食品、スナック菓子、ホットケーキミックス、ジャムなどにも入っていますが気にした方がいいのでしょうか?加工デンプンの摂取でどういう影響があるのか、どれくらいなら摂取していいのか、また何で取らせたくない、避けた方がよい添加物と言われているのか知りたいです。
(3歳5ヵ月・男児)

A

日本では厚生労働省で国内の使用許可は出ているものの、海外での取扱い方に準じて避ける人も。

デンプンの原料はいも類や穀類で、身近な食材では片栗粉やコーンスターチなどに含まれています。消化されるとブドウ糖に変わり、体を動かすエネルギーとして使われますよ。

デンプンを食品に加えるとモチモチ・サクサク・ふっくらとした食感が生まれ、おいしさに影響するので使われていますすが、温度が下がるとボソボソした食感になったり、硬さが増して透明感の消失や水分の分離などが起るので、食品への扱いには注意が必要となります。(例:ごはんが冷えるとおいしさが失われる)

そこでそれらの欠点を改善し、より改良するために生まれたのが“加工デンプン”です。加工デンプンは物理的、酵素的、化学的に加工したデンプンのことで、国内では10種類以上が添加物としての使用を認められています。食品のパッケージに記載されている原材料欄では、具体的にどの種類かが表記されることはまれで、ほとんどが「加工デンプン」と一括表示されています。(加工でんぷん、加工でん粉、加工澱粉と表示されていることもあります。)具体的には増粘剤、安定剤、ゲル化剤、糊料、乳化剤として使用され、次のような食品でよく見かけます。

 

    • スナック菓子
    • 生菓子
    • ドレッシング
    • 冷凍麺類
    • ホットケーキミックス
    • ジャム
    • パン
    • 畜肉加工品(ハムなど)
    • 水産練り製品(ちくわなど)
    • たれ、ソース

デンプンの種類によって使われる食品は異なりますが、加工デンプンを使用するメリットは、

    • 食感や味を改善する
    • 安定性や乳化を促進させて賞味期限を延ばすことができる
    • 低コストなので、加工食品を安価で製造することができる

といったことがあげられます。便利な加工デンプンは世界各国で使用されているものの、欧州食品科学委員会(SCF)では特定の2種類を発がんの可能性が否定できないとして、乳幼児向け食品に使用してはいけないことになっています。また、それ以外の加工デンプンについても、乳幼児向け食品に限っては使用量の制限が設けられています。
それに対し日本では長い間、食品として摂取され安全性に問題がなかったことと、食品安全委員会の試験(食品健康影響評価)において、添加物として適正に使用される場合は安全性に問題はないとして、1日許容摂取量は設定されていません。(日本の推定摂取量に基づき生涯に渡って摂取した場合のリスクについても、極めて低いという見解です。)

 

そうであっても、加工デンプンをできるだけ摂りたくない場合は、

    • 「加工デンプンを使っていない」と表記されている商品を選ぶ
    • 添加物に配慮した食品を取り扱っているお店で買う
    • 加工食品よりも手づくりを中心とした食生活を心がける

これらのことを意識すると、摂り入れる機会を減らすことができますよ。

こだわり過ぎるあまり、食品を選べる範囲が極端に狭くなってしまわないよう、ご自身の生活スタイルに合わせて取り入れるルールを設けてみてくださいね。

 

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。