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家族だんらんはしっかり食べられるようになってからで大丈夫!まずは一人で食べる練習から始めましょう。
1歳10ヵ月になると食べるリズムもできあがり、食べることへの意欲が育ってくると塩分や食べ方などいろいろと気になってきますよね。 でも実はお子さんが「お父さんやお母さんと一緒にごはんが食べられて嬉しい!」と感じるようになるのはおおよそ2歳6ヶ月頃~と考えられます。保育園でも1~2才児クラスは“しっかり食事を食べる練習”が大切なので先生が食事を一緒に食べない事も多いです。大人の食事を気にせず、子どもたちが自分の食事に集中出来るようにしているのです。
1歳後半になるとお子さんの視野が広がり、周囲に対し注意が向きやすくなるので、まずは自分の食事に集中できる環境を意識することが大切です。ただご家族で食卓を囲みたいというお気持ちはとても素敵なことだと思いますので、少なくとも“今は”お子さんの食事の姿勢づくりを優先していただきながら、家族だんらんの時間は別の場面で設けられるとよいと思います。
味付けに関しては、2歳に近づくと味覚も育ち、食べ物の好き嫌いが出てくる時期でもあるため、味が分かり、より味の濃いものを好みやすくなったりしがちです。ですが、もしかしたら今は“味付け”よりも“お母さんのお皿にある”ということに興味がひかれていることが考えられるため、お子さんのお皿を好きなキャラクターにしてあげたり、お母さんは食事を一緒に取らず、お子さん用の食事のみをテーブルに置く、などの工夫をすることで自分の食事に集中できるかもしれません。目の前にある自分の食事をちゃんと食べることが習慣化してくると、きっとご家族と一緒に食べても目移りすることが減ってきますよ。
食具についてはさまざまな食べ方を経験する中で使い方を学んでいくものです。手は最初の道具です。自分の手で食べ物のかたさや柔らかさ、重さや質感など感覚を使って感じています。手を使うことで口までの距離や手の動かし方を学んでいます。食べたい気持ちが強く、気持ちが急いて詰め込んでいます。そんな時は、一口に入れるとちょうど良い量を勉強していると考え、口に入れるとちょうど良い大きさや長さをあらかじめ用意してあげたり、一度に出す食事の量を減らして食べ終えたら追加する、などもおすすめです。1度に食べる量を調整すると、その都度、噛む練習をする機会にもつながりやすいため、一石二鳥ですね。 そして、手づかみ食べが上手になりフォークやスプーンに興味がわいてきたら、大人が一口分の量を取ってから渡すなど使い方を見せてあげましょう。徐々に食具を増やし、使う回数を増やしていくと良いでしょう。 まずは一人でしっかり食事に取り組み、食べることを楽しめるようにし、安定して食べられるようになったら食具や食べ方に気持ちが向けられるようにしましょう。
さらに体も成長して味付けやかたさ、大きさの異なるさまざまな食べ物を楽しめるようになったら、家族団らんで食事を楽しめると思います。「食べるとおいしい」「食べることが楽しい」と感じる気持ちは一緒です。同じ食卓にはつけないときもありますが、お子さんにとっては、パパやママが食べさせてくれる・そばにいてくれる特別な食事時間と捉えて過ごしてみてくださいね。
※今回は、一般社団法人ぽけっと【言語聴覚士】が回答しました。