穴が開いている断面が特徴的な「れんこん」。ホクホク、シャキシャキとした食感が楽しめるので、好きなお子さんもいるのではないでしょうか。
お子さん向けの与え方や、食べやすいレシピなども紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
れんこんってどんな野菜?
れんこんは、熱帯~温帯が原産のスイレン科の植物です。漢字では「蓮根」と書きますが、根は食べず、栄養をたくわえて大きくなった地下茎の部分を食べます。海外では茎以外にも花、実、葉なども食用にしているようですが、食用と観賞用、それぞれの品種があるため、すべてのれんこんが食べられるわけではありません。
泥水の中で育ち、いくつかの節が繋がったような形に成長していきますが、店頭に並ぶときには使いやすいサイズに切り分けられていることが多いです。市場には、6~9月にかけて収穫されるみずみずしい新れんこんと、泥の中で寝かせておいてから10~3月にかけて収穫される一般的なれんこんの2種類が出回っています。新れんこんはあっさりとした味わいがあり、秋から初春にかけて採れるれんこんは甘味と粘りが強くなるという食感の違いがありますよ。(寝かせている間にでんぷんが糖に変わるので、味わいが変化するのです。)
早いと6月頃からハスの花が咲き始め、遅いものは9月くらいで咲き終わります。そこから地下茎が成長を続けて大きくなっていくのです。
関東では長く・大きく・肉厚でシャキシャキと歯ごたえのある金澄(かなすみ)系、関西では短く・白っぽい・ホクホクとした備中(びっちゅう)系が好まれる傾向にあるのだとか。また、栽培地域ごとにブランドもあり、石川県の「加賀れんこん」、新潟県の「大口れんこん(だるまれんこん)」、山口県の「岩国れんこん」などが有名です。生産量は茨城県が最も多く、徳島県、佐賀県、愛知県などでも栽培が盛んです。
泥水の中にもぐって掘る方法や水を抜いた泥から掘る方法で収穫されていますが、どちらも重労働なんですよ。
れんこんは何歳から?
れんこんは、離乳食後期(カミカミ期)から与えることができます。食物繊維が多く加熱してもやわらかくなりにくいので、加熱してすりおろしたものを少しずつ与えるようにしてみてくださいね。切ったれんこんは、奥歯でしっかりと食材を噛めるようになってからが安心です。
れんこんに含まれているタンニンなどのポリフェノールは、空気に触れると茶色っぽく変色してしまいます。そのままでも問題ありませんが、切ってから5分ほど水にさらして調理に使うと、色よく仕上がります。酢水に浸けるとより白さを保ちやすくなりますよ。においが気になる場合は、水ですすいでくださいね。ただし水に溶けやすい栄養素もあるので、浸け過ぎに注意しましょう。
栄養と効能
れんこんはエネルギー源となる糖質、ビタミンC、カリウム、食物繊維などの栄養素を多く含んでいます。これらは、以下のような働きをしてくれます。
- ストレスや紫外線などから身体を守る
- とり過ぎた塩分を尿として体外へ出しやすくする
- お腹の調子を整えてくれる
とくにビタミンCは、免疫を保ったり丈夫な骨をつくるためにも大切です!
変色のもととなるポリフェノールには、身体の酸化を防ぐ抗酸化作用や炎症を抑える働きなどもあります。そのため、のどや鼻がつらいときは積極的に取り入れると、症状を和らげてくれることが期待できます。
おいしいれんこんの選び方
よく成長したれんこんを選びましょう。次のようなれんこんがおすすめですよ!
れんこんの選び方のポイント
・皮の色にムラがなく、傷がついていないもの
・ツヤがあって、ふっくらとした形をしているもの
・ずっしりと重みがあるもの
・切られている場合は、穴の並び方が均一なもの
また、れんこんが切られている場合は、切った断面や穴の内側が黒くなっていないものが、鮮度のよい証拠になっています。また、節と節の間で切られているれんこんは、空気に触れる面積が小さく、傷みや乾燥をおさえられるのでおすすめです。
れんこんは、先端に向かって細い節が連なるように育ちます。先端は根っこのように先がとがったような形をしていて、そのすぐそばの節は一番水分が多く、シャキシャキとした食感を味わえます。酢の物やサラダなどにして食べるなら、この部分がおすすめです。
そこに連なる少し太めの節は、甘味を味わいやすい部分とされています。じっくりと煮込んだ煮物や、天ぷらにするとおいしいですよ。
4節目以降は大きくかためですが、もっちりとした食感が味わえるので、すりおろしてハンバーグに入れたり、とろみ付けに向いています。使いたい料理に合わせて大きさを選んでみてもいいですね。
どうやって保存するといいの?
れんこんは、乾燥を防いで低温で保存するのが基本です。丸ごと保存する場合は濡らしたキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫へ。切られている場合は、ラップを切り口にぴったり密着させ、ポリ袋に入れてから冷蔵庫へ入れてくださいね。保存の目安は丸ごと冷蔵で1週間、切って冷蔵で3日程度です。
れんこんは冷凍保存もできます。使いやすい大きさに切って酢水にさらし、水気を拭き取ってから冷凍用の保存袋に密封して、冷凍庫へ入れてください。1ヵ月以内に食べ切るのがおすすめです。
れんこんの先端に近い節は、少量を生のまま食べることもできますが、分けて売られているとどの部分かわかりにくいもの。消化機能が未発達な乳幼児や胃腸が弱っているときは、必ず加熱して食べてください。凍ったままでも茹でたり炒めることができるので、よく加熱しましょう。
おすすめ!幼児食レシピ
時期や調理方法によって、シャキシャキ感やもっちりとした食感を楽しめるれんこん。HAPIKUのおすすめメニューはこちらです。
とろ~りチーズがたまらない♪
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噛む力が弱いお子さんの場合は、作り方を「刻む」から「すりおろし」に変えると食べやすくなりますよ。
また、すりおろしたれんこんは、片栗粉のようにとろみ付けにも使えます。加熱時間を長めにして、少しもっちりとした仕上がりになればOK。あんかけ料理などに加えてみてくださいね!
食べにくそう、食べてくれないときは?
シャキシャキとした食感が好きなお子さんもいますが、噛む力が弱いと食べにくいことも。そういった場合は、穴がたくさん並ぶように輪切りにしてみましょう。縦切り(繊維に対して平行な切り方)は繊維を噛み切らなければいけないので、口の中で細かくなりにくく、飲み込めなくなってしまうことがあります。
また、輪切りでもできるだけ薄く切ること、長めに加熱することが大切です。それでも食べるのが難しそうであれば、食感は変わりますがすりおろしてみてください。調理法によって多少栄養が減っても、なくなることはありません。
特定の食材に苦手意識をもたせないことが大切なので、お子さんの発達段階に合わせて食べやすいように調整してみてくださいね。
れんこんの豆知識
「♪穴のあいた、れんこんさん~」という歌詞があるように、れんこんにはたくさんの穴が並んでいます。この穴の正体は気孔といって、はすの花や葉などに空気を届けるための通り道になっています。品種にもよりますが、だいたい8~10個の穴が開いているのだとか。
穴から向こう側がよく見えることにちなんで、「先の見通しがきく」といい、縁起物としておせち料理などにもよく使われていますよ。
この記事では、れんこんの旬、お子さんへの与え方、栄養と効能、選び方、保存方法、おすすめレシピなどを紹介しました。
食材の特徴を知っておくと、よりおいしく、身体によい取り入れ方をすることができますよ。さまざまな食感が楽しめるれんこんを、最大限活用してみてくださいね!