デンマーク編<br><font>~冬でも雨でも自然や社会へ出て学ぶ子どもたち~</font>

北欧のデンマークは、レゴや童話作家のアンデルセンなど、子どもたちにとっても親しみ深い国です。12月のデンマークは、首都コペンハーゲンの中心部にあるチボリ公園内に、クリスマスマーケットがたち、とても賑やかです。一方、北に位置しているため、かなり寒くて、昼間の時間がとても短いのです。冬至の頃は、明るい時間は、10時過ぎから午後3時くらいまでで、私(筆者)などはへこみます。

寒さも雨もへっちゃらなこどもたち

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デンマークは、寒いだけでなく雨も多い気候ですが、子どもたちは元気いっぱい。街を歩くと、校外学習に出かけている子どもたちの多いことに驚かされます。冬でも雨でも、幼稚園から高校生まで、自然の中に遊んだり、さまざまな施設を見学したりと、体験型の学習が実践されていると感心します。外に出て学ぶことは、赤ちゃん時代から始まっていて、なんと赤ちゃんのお昼寝は、寒くても外でという習慣がデンマークにはあります。もちろん、温かい毛布にくるんでですが、びっくりするような子育て法です。こうやって、赤ちゃん時代から寒い気候に慣れさせることで健康で頑丈な身体を育てていくのでしょう。

 

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ランチ用の牛乳を教室に運ぶ小学生

寒い気候ながらバスタブのない浴室がほとんどですし、“ヨーロッパの北京”と言われるほど、雨でも冬でも自転車で通勤・通学する人が行きかい、風邪を引いても薬は飲まないという人も多く、デンマーク人には、厳しい自然を生きていく身体と姿勢が感じられます。

欲張らない食のスタイル

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その姿勢が人々の食事にも反映されています。冷涼な気候のため、食材の種類が豊富にあるわけではありません。もちろん輸入に頼る部分もありますが、主食である黒パンやじゃがいもに加え、肉やその加工品、乳製品、そして少々の野菜といった内容です。欲張らず「あるがままの自然を受け入れる」のが、デンマークの食事スタイルではないかと思います。

 

world001_01子どもたちのお弁当をみても、パンにハムやチーズを挟んだサンドウィッチと生野菜(人参やトマト)程度の超シンプル。お弁当づくりに苦心する日本のお母さんたちが見たら「これでいいんだ!」と元気づけてくれるようなものです。朝ごはんもシリアルと牛乳で簡単に済ませる家庭が多いようです。ただし、夕食は、家族揃って食べるのが原則。

 

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小学校の家庭科授業 先生は男性

デンマークは、男女の隔たりなく、女性もしっかり仕事をしています。家庭でも同様に男女が家事を分担しています。夕方のスーパーマーケットでは、男性客が多数派であることに驚かされます。お父さんが早く帰って食事の支度をするという風景も珍しくありません。

子どもの頃から外に出て学び、社会への参加意識が高く、家事や子育ても男女協力してというデンマーク、私たちは学ぶものが多いです。