Q

毎朝チョコクリームパンでも大丈夫?

毎朝チョコクリームパンを食べます。毎日チョココロネ1個、1ヵ月以上これです。バナナとヨーグルトは食べますが、他は食べず、朝は忙しいので食べてくれることを優先しています。我が家は朝食はパンと決めています。食パンに変えたりするとましですか?チョコクリームパンで大丈夫ですか?

(5歳・男児)

A

出来ることから工夫して改善していきましょう!

結論から言いますと、毎日菓子パンを食事として与えるのは栄養面・味覚形成の面からもおすすめはできません。

ですが、お子さんの偏食や食へのこだわりに対し、時間にも心にも余裕がない中で苦肉の策として与えてきたという背景も大きいのだと思います。

 

問題点については大きく2点あります。それぞれの対策をご紹介しますね。

【 問題点1 】

チョコクリームパンは砂糖や脂肪が多く使われた甘い食べ物なので、糖質(炭水化物)や脂肪をエネルギーに変えるためのビタミンなどが不足しています。

(おかずやスープで補えているのであればOK)

⇒ これは食パンに変えたところで、ジャムなどの甘いものを足しているのであれば同じことが言えます。

 

糖質・タンパク質・脂質をエネルギーに変えるために必要なビタミンと、それを多く含む食材は以下の通りです。(日常的に使いやすい食材を中心に紹介しています)

 

  •  ビタミンB1 豚肉、大豆製品、ナッツ類、ごま、のり、わかめ
  •  ビタミンB2 レバー、海藻、チーズ、卵、アーモンド、納豆、魚肉ソーセージ
  •  ビタミンB6 マグロ、カツオ、サバ、サケ、アジ、イワシ、サンマ、ブリ、鶏肉、ごま、のり、きなこ

これらの食材を取り入れることで、他にも相互的に働く栄養素(ナイアシンやパントテン酸など)も摂ることができます。

 

これ以外に、免疫力を高めるビタミンA、健康な肌・髪・筋肉の基となるコラーゲンを作る時に必要なビタミンCは新鮮で色の濃い野菜や果物に多く含まれています。

こういったものもバランス良く摂れる食事内容が、健康的な身体づくりには大切です。

 

【 問題点2 】

甘味が強くやわらかいものを毎日食べ続けることで、味覚が鈍ったり噛む回数が少なくなってしまいます。

子どもの味覚は3歳頃までに口にしたものをベースに、10歳くらいまで発達していくと考えられています。そして味覚というのは、塩味・甘味・酸味・苦味・旨味で構成されていて、バランス良く味を感じることが味覚を育てていくということに繋がります。

 

甘いものだけ、食べたがるものだけを与え続けるということは、同じ味に慣れてしまい、それよりも薄味だと味が感じられなかったり、物足りなくなってそれ以外の味覚をどんどん鈍くさせてしまいます。毎日違う味に触れさせてあげることで、将来的に繊細な味の違いが楽しめる人生を送らせてあげることにつながるのではないでしょうか。

 

また、ファストフードやファミリーレストランなどのお子様ランチに共通しているやわらかくて食べやすいものは、噛む回数が少なくて済みます。こういったものばかり食べていると、小魚や大豆などのお菓子を口にした時でさえ「噛むのが疲れる」といった理由で食べられなくなってしまいます。(こうしたお子さんは肉が噛み切れないので、いつまでもモグモグしています)現代の子どもたちはこうした食生活の変化により、噛む回数の減少で顎が十分に発達せず歯並びが悪くなったりすることも増えているそうです。

 

他にも、噛むことは脳への刺激にもなるので脳の発達にも関わりますし、唾液の分泌も噛むことと連動しているので、唾液の減少は消化吸収にも悪影響を及ぼします。

 

このようなことからも、やわらかいパン食ばかりというのはおすすめできません。

 

さて、ここまでは問題点についてご紹介しましたが、そうはいっても手間をかけていられないというのが現状かもしれませんね。

 

次のようなことに、出来ることから取り組んでみては、いかがでしょうか?

 

  • サンドイッチへ変え、ビタミンの多い食材を挟む。
    (ハム、チーズ、ツナ、わかめ、レタス、トマトなど)
  • ヨーグルトにナッツやきなこをトッピングして一緒に出す。
  • パンや食材は小さくせず、大きいままにして噛む回数を増やす。
  • 朝食以外の食事で、必要なビタミンが摂れる食材を多めに意識して取り入れる。
    (1種類に偏らず、幅広い食材で!)

 

単に「ダメ」と言って与えるのを止めるのではなく、「○○くんに病気にならないで元気いっぱい育ってほしいから、こういうものを一緒に食べるようにしようね」などと伝えていきましょう。そして、5分であっても一緒に食卓について、隣で笑顔で食べる時間もお忘れな

 

食事の目的は身体への栄養補給だけでなく、心への栄養補給でもありますからね。

 

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。