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幼稚園に通えば食べられるようになる?

3歳と1歳の息子達についてです。兄弟の好みが違うことと、献立が似通ってしまうことに悩んでます。
まず、お兄ちゃんは野菜でも、ブロッコリーやレタス、トマト、キュウリなどにドレッシングをかけたものや、ハンバーグ、餃子、卵焼きに刻んで混ぜればだいたい食べてくれますが、野菜炒めや煮物的な、ゴロッとそのまま野菜が見えているものや、茄子、カボチャなどの特定の野菜が苦手なようで、どうしても献立が似通ってしまいます。それに加えて弟は、サラダ系の生野菜やフルーツはバナナ以外拒否、上記のようなハンバーグなどをごはんと混ぜたものでないと野菜を食べてくれません。また2人ともスープ系が苦手で、ポタージュなどもあまり食が進まないようです。
なかなか食べられるメニューが増えない中、お兄ちゃんが週一回通っている幼稚園のプレでは、時にはごはんと魚を少ししか食べなかった、と言われることもあります(泣)
こちらのサイトで勉強して、絵本を読んだり、一緒に作ったり、いろいろ試してみましたが、私もなるべく食べて欲しくて同じようなメニューになってしまいます。来年度毎日幼稚園に行くようになると変わるものでしょうか、このままでいいのか、食べられるメニューを増やす方法はないか悩みます。
(3歳2ヵ月・男児)

A

食べる意欲があることを大事にしてあげましょう

それぞれの好みが違うと合わせるのもひと苦労ですね。 現在、きょうだいで一緒に食べられるものといえば、ハンバーグくらいなのでしょうか? まずは、今、食べられるものをアレンジして、少しずつ種類を増やしていくのが良いと思いますよ。

例えば、ハンバーグの材料を使って、小さく丸めてミートボールにしたり、崩して片栗粉でとろみをつけたそぼろ煮にするのはどうでしょうか? 味付けを変えるとタコライスのようにもなりますし、ガパオやミートソースなども作れます。(辛みやハーブなどは抜いて、細かく刻んだ野菜を彩り程度に加えると◎)

苦手を克服するためには、ある程度時間がかかりますし、安心して口にできる食べ慣れた食材を取り入れてあげるようにしたらいいのではないでしょうか。 炒め物や煮物のゴロっとした野菜が苦手ということですが、お子さんにとっては大きくて食べにくかったり、かたさや食感が合っていないということもあります。

3歳といっても、まだまだ噛む力が十分でなかったり、上手に噛んで飲み込むことができていない可能性もあります。大きさを変えたり、加熱する時間を延ばすなどして、どの程度であれば食べやすいかを確認してあげるといいですね。

大人の食事から取り分ける時は食材の大きさ、やわらかさに配慮してあげると食が進みやすくなります。幼稚園のプレで食べられるようになるのは、ご家庭で安心して食べられるようになってからだと思いますよ。

 

加えて、スープ系が苦手ということですが、それは煮込んだ具が食べにくいのか、汁を飲むのを嫌がるのか、によって対処方法が変わります。 5歳になるわが子の場合は「汁が苦手」なので、リクエストがあるまでは、器に盛るのはみそ汁の具だけにしています。 (「今日は汁もちょうだい」という時は、みそ汁を全部盛っています)  逆に、具が苦手なケースでは、汁だけを盛ってあげればいいと思いますよ。

大切なのは、食べる意欲があるということにフォーカスしてあげること。 本来であれば、作ったみそ汁をそのまま食べてもらいたいと思いますが、私は具だけ/汁だけでも一緒に美味しさを共有できればOKということにしています。 仮に、無理強いして「全部食べなきゃダメ」と押し付けることで、みそ汁自体が嫌いになってしまったら元も子もないですものね。

ポタージュが苦手であれば、それ以外の汁物でいいと思いますし、ポタージュにする前の状態と、ポタージュにした後の状態を並べて、どちらも一緒だということを教えてあげると安心して飲める場合もあるかもしれませんね。(この場合は、単純に、よくわからないものを口にしたくないという気持ちが原因です)

 

また、幼稚園のプレに通われているということですが、幼稚園に通うようになってから、苦手を克服できるお子さんもいれば、幼稚園でも同じように好き嫌いを続ける場合もありますので、入園すれば改善する、とは一概には言えません。でも、どうしてみんなで同じものを食べるのか、食べるとどんな良いことがあるのか、などは3歳のお子さんが分かるように伝えてみるといいかもしれませんね。

例えば、「みんなが病気をしないで大きく成長したり、毎日元気に遊べるように、そのために必要なごはんを考えて給食を作ってくれている人がいるのよ。 幼稚園の給食では、おうちでは食べたことのない味や、初めての食べものも出てくるけれど、それが食べられるようになると、好きな食べものもどんどん増えていくよね。 何でも食べられる子もいれば、食べられない子もいるね。 〇〇くんは、何でも美味しく食べられる子と、少ししか食べられない子、どっちがいい? 美味しく食べられるようになったら、それだけ、誰よりも元気で大きくなれるかもしれないよ。1日1口だけ、いつも食べないものも頑張って挑戦してみようよ!」 と、上のお子さんには、こんな風にお話をしてあげてみると良いと思います。

ポイントは本人に、どちらになりたいかを選ばせることです。 「食べられなくてもいいや」と言うのであれば、今はまだ変化を受け入れる準備ができていないと捉え、少し期間を置いてからもう一度尋ねてみてください。

 

下のお子さんに関しては、離乳食から幼児食へ移行する段階ですので、上のお子さんと比較する必要はありません。 同じものを食べてくれたら…とつい思ってしまいますが、今は上のお子さんの食べられるものを取り分けつつ、食べないものも一口分添える程度でいいのではないでしょうか?

まだまだ、感覚や感情が発展途上ですので、食事の楽しさを失わずに、その中で新しいものに挑戦する機会を作っていけるようにしてあげましょう。 上のお子さんが食べられるようになって、おうちの人が褒めてくれたり喜ぶ姿を見ていたら、きっと「自分も食べる」と言い出すようになりますよ。 (きょうだいだと、上のお子さんの真似をしたがる傾向がありますので)

食べられる食材や料理が増えてくるまでは、食事の準備に手間はかかりますが、温かい目でお子さんの変化を見守っていってあげましょう。 また、お子さんの好き嫌いに振り回されず、大人は大人で食べられる食事を取り入れ、お子さんが気が向いたときに食べられる環境作りも取り入れてみてくださいね。 食べ物に対する不安は、そういうことをきっかけに減ることもありますよ。

 ※今回は、【管理栄養士】が回答しました。