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自分の好きなものしか食べなくて困っています

1歳8ヵ月の男の子のママです。本当に自分の好きなものしか食べなくて困っています。食べるものは、パン、うどん、ソーセージ、魚肉ソーセージ、アンパンマンポテト、ヨーグルト、果物(バナナ、オレンジ、ぶどう)、みそ汁の汁のみくらいです。野菜や肉、魚は食べません。毎日ソーセージ・魚肉ソーセージをあげていますが大丈夫でしょうか。せっかく作っても食べないので、既製品ばかりあげています。保育園にも通っていますが、家よりは食べるようですが量は少ないです。体型も細身で成長曲線よりギリギリ下です。離乳食の時はそれなりに食べたのですが、急に食べなくなりました。このまま好きなものだけあげ続ければいいのでしょうか。
手で食べられるものばかりで、なかなかスプーン・フォークを使って食べられるようになりません。

外食時もうどんしか食べられないので困っています。土日はうどん率が高めです。具が入っていると食べないのでうどんのみです。このままでは息子の体も心配です。保育園にも通っているので、よく風邪をひきます。
(1歳8ヵ月・男児)

A

ゆっくりと歩み寄る努力を続けていきましょう

離乳食から幼児食へ移行する時期は、お子さんの自我が芽生えてくるのに合わせ好き嫌いが出やすくなります。お子さんが好きなものを見ていると、柔らかくて味が濃いもの(はっきりしたもの)がお好きなように見受けられます。(パンやうどんも一般的にはある程度の食塩を含んでいます。)
肉や魚の代わりにあげている、おそらく市販のソーセージ(ウィンナー)や魚肉ソーセージだと思いますが、大人がおつまみで食べることもあるくらい塩っ気がきいています。それを考えると、それしか食べてくれないからと与えているのは、塩分の摂りすぎや味覚の成長を妨げるという点ではちょっと心配ですね。(日常的でなく、量や頻度を考慮されているのであれば話は変わりますよ)

 

もしかするとまだ上手にカミカミやゴックンができなくて、まとまっていて口に運びやすかったり飲み込みやすい食べ物をお子さん自身が選んでいるのかもしれませんね。
いろいろと手作りに挑戦されたとのことですが、片栗粉でとろみを付けてあげたり、肉団子やつみれ、ナゲット、おやきのようなものを与えたことはありますか?このくらいの月齢であればまだ手づかみ食べをしていても問題ありませんし、手先が器用になってくれば興味を持ってスプーンやフォークに手を伸ばすようになってくるので、食卓には並べておいてあげてくださいね。(遊び始めたら片づけてしまってOKですよ)

 

あれもこれも食べて欲しいという気持ちもわかりますが、お子さんにも考えがあり、その結果、今の食事を選んでいると考えることもできます。

野菜も肉も魚も、大きさや料理の仕方によって噛み切りやすさも食感も匂いも大きく変わります。以下に調理のポイントをいくつか挙げますので、心当たりがあれば改善してみてくださいね。

 

【調理のポイント】

  • 離乳食後期頃のようにゆで時間を長くして柔らかくする
  • 野菜は繊維を断つように切ってしまうと苦味や辛味などが出やすい
  • 高温で加熱しすぎるとパサパサになって舌触りが悪い
  • 肉や魚は塩や料理酒で下処理をしないと臭みが残りやすい など。

 

野菜については、見た目の色(特に緑色は、本能的に“未熟さ=完熟していない”ことを感じさせるので避けられがち)で手を出さない可能性があります。そういう場合は、パッケージに野菜や果物が描かれているジュースから口にさせてみるのがおすすめです。(野菜代わりの栄養補給というよりも、野菜に親しむ手段としておすすめです)

 

【野菜ジュースの活用法】

① コップなどに移した状態で与えてみる。

② 飲んでくれたら「どんな味がする?」と聞いてみる。(「おいしい?」とは聞かないで、素直な感想を聞いてあげましょう)

③ そのジュースには何が入っているか、パッケージを見せてお子さんに答えさせる。

④「○○ちゃんの大好きな果物が入ってるね?こんな野菜も入っているよ。おいしかったね。」と伝える。

 

これでお子さんに野菜を口にできたという自信を持たせてあげることができます。
その後、食卓にジュースに入っていたものと同じ野菜を出して、「これ何だっけ?この前飲めたよね。食べてみる?」とさりげなく話してみましょう。嫌がったら「次は一口食べてみようね。」と言って、それ以上は進めなくてOKです。

このようにして、食べなかったものも定期的に食卓に並べ、さりげなく食べるかどうかを毎回聞くことを続けてみてください。目にする機会が増えれば少しずつ親しみを持てますし、気が向いたら食べてみようかなと手を出すチャンスが来ます。
地道ですが、このようにお子さんが歩み寄ってくる機会を設けつつ、お子さんの意思で食べてくれるタイミングを待つようにしましょう。これが、「食べなさい」と何度も怖い感じで楽しくない雰囲気で強要された場合は、食事の時間すら嫌いになってしまい、ますます食べる量が減ってしまう危険性がありますので気を付けてくださいね。

 

【スープの工夫例】

野菜そのものを食べてくれるようになるまでにできることとしては、うどんやみそ汁のスープに肉や魚や野菜を加えて、旨みや栄養を溶け出させることです。具としては食べてくれなくても、スープを飲むことによって多くの食材の風味に触れさせることができます。(お子さんの味覚を育てる上では大切なポイントです)
「今日のスープはどんな味がする?」「いつもよりおいしいね。何が入っていると思う?」こんな会話をすることで、お子さんがおいしいと思ったもの=少し嫌いではなくなるという変化も期待できます。

また、栄養素には水に溶けやすい成分と溶けにくい成分がありますので、煮込むだけではなく油で炒めたものに水を足してスープにすることで、免疫力を上げてくれるビタミンAなどは随分と摂りやすくなります。(ビタミンAは、にんじんやかぼちゃ、葉物などの色が濃い野菜に多く含まれています)
他にも、玉ねぎ、れんこん、大根などをすり下ろして加えれば、とろみ付けにもなり野菜とは思わず食べて(飲んで)くれるかもしれませんね。

もちろん、食卓の上にスープで使った食材のお料理を並べることもお子さんに親しみを持たせる上では大切です。ちょっと頑張ったら食べられる一口分だけでも構いませんので、「今日はこれが入っていておいしいね。」などの会話も楽しんでみましょう。

 

毎日頑張って手作りをするのも大変でしょうから、量はたくさん作る必要はありませんよ。もし作って残ったとしても、大人用に調味料や香辛料を足して美味しく食べてしまえばいいだけですし、小分けに冷凍したら作り置きができたと捉えれば、少しは気楽に続けられるのではないでしょうか?

体調管理が気になるこの時期、お子さんが少しでも口にできる機会をたくさん作ってあげてくださいね!

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。