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3歳までは薄味が基本です。
一般的に、食事への味付けは離乳食中期(7~8ヵ月頃・モグモグ期)くらいから、味に変化を持たせることを目的にしょうゆ1滴くらいを加えることから始めます。離乳食後期(9~11ヵ月頃・カミカミ期)には2~3滴に増やし、離乳食完了期(1歳~1歳半頃・パクパク期)になってようやく小さじ1/2~くらいの調味料を1食に使えるようになります。
厚生労働省の定める「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、食塩の摂取目標量は1~2歳:男子3g未満、女子3.5g未満とされています。(【参考】3~5歳:男子4g未満、女子4.5g未満/6~7歳:男子5g未満、女子5.5g未満 ※男女差は体格差によるもの)
年齢差による数値の上昇については食事量に比例すると言われているため、1食あたりの食塩量を増やしてもいいということではありませんのでご注意ください。つまり、1歳の頃よりも6歳の方が食べる量が増え、同じ塩分濃度の食事であっても必然的に塩の摂取量が増えるということです。大きくなったからといって、濃い味の食事をしても大丈夫というわけではないのです。ですから、HAPIKU内でも幼児食は年齢関係なく同じレシピを提供しています。
少し物足りなそう…というのであれば、だしの濃度をいつもより濃くしてみたり、料理に加える水の代わりに牛乳や豆乳などのコクが出るものを代用することをおすすめします。もしくは、いつもより少し品質の良い調味料に変えて風味を強くしたり、酢やレモン汁などの酸味、少量の香辛料・ハーブを利かせてあげることも、薄味調理に役立ちますよ。
話は変わりますが、ファミリーレストランなどのメニューにある成分表示や、加工品・インスタント食品・スナック菓子などのパッケージに記載してある食塩含有量に注目してみてください。特に外食では、お子様ランチと銘打っていたとしても、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなどの調味料が多く使われていたり、1食あたり食塩1g以上を超えるものも多くあります。そういった調味料を減らしてあげたり、スープやつゆなどは全部飲ませないなどの工夫をしてあげましょう。
大人の食事を薄める場合は、できればだしを使ってあげると、旨味が加わることで薄味でもおいしさが損なわれにくいです。
「3歳までに味覚の基礎が完成し、それまでの食経験で一生の味覚が決まってしまう」ともいわれており、そういった高塩分濃度の食品ほどやみつきになりやすく、なかなか薄味嗜好に戻るのが難しくなってしまいます。どれだけ塩分をたくさん摂ってしまいやすい環境なのか、そこを認識した上で普段の子どもの食事を考えてあげるといいですね。
最後に、薄味の基準ですが、味見をして「薄いけど味がわかる」程度を想像してください。大人にとっては少し物足りない味であっても、味覚が大人よりも敏感なお子さんにとっては十分においしさを感じられるのです。塩分濃度計などをお持ちであれば、汁物は0.6%以下が目安です。(ちなみに、大人は0.8%くらいが一般的においしいと感じる濃度)保育園によっては、かつお節や昆布のだしを時間をかけて取ったものを使うことで、塩分濃度が0.4%でも園児たちがおいしく食べているところもあります。
実際にレシピ通りに料理をした場合であっても、加熱による水分の減り方や調味料のメーカーによって、全く同じ味の濃さに仕上がるわけではありません。ご自身で味見をされながら調整してあげるのが一番よいと思いますので、濃さが気になる場合は最初から薄めに調味料を使用するようにしてみてくださいね。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。