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食べなくても大丈夫、と気楽に構えてOK!
以前はよく食べていたということで、それと比較すると「なぜ食べないの?」ととても心配になりますよね。幼少期に食の好みが変わることは珍しいことではありませんし、いろいろな食の経験を積んでいくことでまた少しづつ食べてくれるようになります。
特定のものを食べなくなるということは、様々な原因がありますので、まずはそれらを確認してみましょう。
○食材の色・形・舌ざわり・匂いなどが気に入らない
<対策>
・量はごく少量にし、食べなくても良いので食卓に並べる。
・歯の生え具合や口の中の大きさに合わせ、小さめに切る。
・長時間加熱し、食べやすいやわらかさに仕上げる。(指で潰せるくらい)
・料理に片栗粉などでとろみをつけたり、油を加える。
・料理前に下ゆでし、食材の香りを和らげる。
・昆布やかつおで取っただしを加える。
○食べることに集中できる環境でない
<対策>
・テレビを消し、近くでスマ―トフォンやパソコンなどの操作をしない。
・おもちゃなど興味を惹くものは子どもの目につかない所へ片付ける。
・食卓に食事に関係のないものをなるべく置かない。
○お腹が減っていない
<対策>
・おやつは食事の2時間前を目安に済ませておく。
・日中は広いところで体を思い切り動かすようにさせる。
・起床時間、就寝時間、食事の時間をだいたい決めて、生活のリズムを整える。
○大人の気持ちをプレッシャーに感じている
<対策>
・「食べて」「何で食べないの」「残さないで」「こぼさないで」などの声がけをやめる。
・“食べてくれたらラッキー”というくらいの軽い気持ちで接する。
○食事時間が楽しくない
<対策>
・子どもが喜ぶ食器を使う。使いたい食器を子どもに選ばせる。
・大人も一緒に食卓に着く。家事などで離れない。
・会話も楽しみながら、笑顔で食べる姿を見せる。
・仲の良い友達や親しい人と一緒に食べる。
たくさん紹介しましたが、できるところからご相談者の無理のない範囲で実践してみてはいかがでしょうか?(忙しいとなかなかクリアできない部分もあると思いますが…)
それでも状況が変わらなかったとしても大丈夫です。こちらが意地になればなるほど、子どももそれを察知して悪循環になることが考えられますし、食事の時間が嫌な時間になることだけは一番避けなければなりません。
また、おやつの質を見直すのもひとつです。砂糖などの甘みが付いたものややわらかくて食べやすいものばかりではなく、かぼちゃやさつまいもを蒸かしただけの自然な甘みのもの、小魚、ナッツ、海苔、豆など食材そのものの味を味わえるものにしてあげることで、おかずとしては食べなくてもおやつでなら食べるという場合もあります。
それは、おやつには栄養補給だけでなく楽しみやリフレッシュの要素もあるからです。ですので、主食しか食べなかったとしても、おやつで少しでも他の食材が食べられるならOK、とどんと身構えてあげてください。
そして、いつも食べないからといって食事の時に主食以外のものを全く出さないというのはよくありません。少量を上記の工夫を散りばめながら、最低1品はおかずも用意してあげてくださいね。
機嫌がよい時やお腹が空いている時は気が向いて口にしてくれることもあるので、その時は大袈裟すぎるくらいに褒めて喜んであげましょう。たった一口食べただけだったとしても「すごい!!」と褒めてあげてください。そういった嬉しい体験は、好きになるきっかけになってくれます。
すぐに効果が表れなくても、繰り返し根気よく続けていくことがポイントですので、焦らず取り組んでみてくださいね。
※今回は【管理栄養士】が回答いたしました。