赤ちゃんの夜泣きの原因
夜泣きとは、多くは、生後6か月頃から1歳過ぎくらいの赤ちゃんが夜中に原因がよく分からずに泣くことと捉えられています。睡眠サイクルの変化、日中の刺激やストレスなどが原因ともいわれており、生活の変化が大きい時期と重なることもあるようです。さまざまな解決方法が育児書などに書かれていますが、原因不明なことも多く、夜泣きが続くと親も寝不足や疲労感の原因となります。
夜泣きは日本では昔から、疳(かん)の虫の影響ともいわれています。東洋医学からみるアレルギーでも紹介しましたが、東洋医学の考え方の基本である、陰陽五行の5つのエネルギーには、それぞれ関係している臓器や器官があります。疳(かん)の虫の影響は「肝(かん)」の気(エネルギー)の乱れが原因の1つともいわれています。東洋医学の「肝」は、西洋医学での肝臓の働きの他に、自律神経や血液循環などの調整を行っている器官と考えられており、精神を安定させたり、内臓の動きを保ったりする働きもあります。肝の気が乱れて夜泣きをする場合、泣くことによってエネルギーが高まるため、顔を赤くして泣くことが多いようです。また逆に顔が青白い場合には、胃腸が冷え、消化に負担がかかることで、胃腸の不快感や痛みが生じて夜泣きにつながるとも考えられています。
肝の気の流れをよくする食べ物とは
肝の気の流れをよくする食べ物、そして肝臓と関わりの深い「血」を補う食べ物をみていきましょう。離乳食でも取り入れやすいものを主にご紹介しますが、そうでないものは、お母さんが取り入れるのもよいでしょう。
胃腸の不調や冷え
胃腸が冷えていると、消化にも負担がかかり疲れやすくなります。まずは胃腸の働きをよくする食べ物をみてみましょう。
次に冷えをみてみましょう。授乳期の赤ちゃんの場合は、ミルクや母乳の影響で舌が白っぽくなることもあり、舌から冷えの状態を見るのが難しい場合がありますが、胃腸の冷えは、舌の中央が白くなっているかどうかで見ることができます。東洋医学では、舌をみることを舌診(ぜっしん)といい、舌の場所と臓器との関わりからどの部分が冷えているか、熱をもっているかをみます。健康的な舌はピンク色をしていますが、冷えている場合は白く、熱をもっている場合は赤くなります。また、舌で冷えを見づらい赤ちゃんの場合は、おでこの生え際の髪の毛が上に立っていると胃腸が冷えていることが多いです。
体を冷やす食べ物は、東洋医学からみた食育の考え方~陰と陽~でもご紹介しましたが、バナナなどの南国フルーツのように暑い地方でとれるもの、夏にとれるきゅうりやトマトなどの夏野菜などがあります。季節と大きく異なる野菜や果物を多く摂ると冷えにつながってしまうので、加熱したり少量にしたりしましょう。逆に温める食べ物は根菜以外にも、もち米などがあります。冬場におもちを食べることが多いのも、体の深部を温める作用があるためです。
食べ物以外でできること
胃腸の冷えにも肝の気にもよいのが、腹巻で腹部を温めてあげることです。また、夜泣きや安眠対策に、枕元にりんごや、切った玉ねぎを置くというおばあちゃんの知恵もあります。また、お母さんの手全体で子どもの足全体をギュギュっと、簡単な足のマッサージをしてあげることもよいでしょう。