よく噛める歯ときれいな歯並びのためにママができること【遊び編】

前回は、よく噛める歯ときれいな歯並びのために、食べるときに気をつけたいことについて紹介しました。しかし、お母さんから注意されすぎて、子どもが食べることを楽しめなかったり、食べることを嫌いになったりすることだけは避けたいですよね。
今回はいつもの生活の中でよく噛める歯ときれいな歯並びのためにできる遊びと、そのために心掛けてほしいことをご紹介しますね。

※年齢・月齢は目安です。発達のスピードや興味・関心には個人差があります。「こんなこと、うちの子できないわ」「わが子は興味を全然示さない」などということは、よくあることです。

口をすぼめる動作の大切さ

風船をふくらませるときと同じような、口の周りの筋肉をつかう動作に「ローソクの火を消す」があります。誕生日ケーキのろうそくの火を3歳になっても吹き消せないことの問題点について、柏戸先生が教えてくれました。

 

3歳の子どもがローソクの火をなかなか吹き消せないのは、がんばって口をすぼめようとする姿が一見かわいらしいですが、筋肉の発達の観点から考えると大きな問題です。

 

ろうそくの火を吹き消せない理由は、「フーーッ」と口をすぼめて息を吹くことができないからです。くちびるの周りの筋力がとても弱いため、口をすぼめることができないのです。

 

先ほど紹介した、風船をふくらませることも、同じように口をすぼめておこなう動作です。

 

 

くちびるの周りの筋肉が発達することで、口をすぼめる動作ができるようになるんですね。くちびるの周りの筋肉の発達がなぜ大切なのでしょう。柏戸先生にお聞きしました。

 

くちびるのまわりの筋力がしっかり発達していない子どもに多くみられるのが、いつも口がポカンと開いている、口唇閉鎖不全と呼ばれる状態です。

 

人間は口を閉じているのが正しい状態です。しかし、口が開いている時間が長くなると正しい位置に歯が並ばなくなるなど、歯並びにも影響することがあります。

 

きれいな歯並びのためにも、くちびるの周りの筋肉をしっかりと発達させたいですね。

 

さらに前回ご紹介したとおり、口を閉じているときには、巻き舌のように舌の先端が上向きになっている、正しい「舌の姿勢」をキープすることも大切です。
口がポカンと開いているままだと、「口呼吸になりやすく、お口の中が乾燥しやすくなると考えられています」とも教えてくださいました。
鼻呼吸をおこなわずに口呼吸になると、風邪アレルギー疾患呼吸器系の疾患や、虫歯歯周病口臭のリスクが高まります。

 

くちびるのまわりの筋力が弱いと、さまざまな悪影響が出てきます。よく噛める歯ときれいな歯並びのためにはもちろんのこと、健康のためにも筋力がしっかり発達するように、おもちゃのラッパで遊んだり、口をすぼめる動作をおこなったり、毎日の生活に取り入れてみるといいですね。

 

あいうべ体操 簡単にできるお口の体操

子どもでも簡単にできて、遊び感覚で楽しみながら行えるお口の体操「あいうべ体操」を、柏戸先生に紹介していただきました。

 

あいうべ体操のやり方は、次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。

 

 

「あ」~「え」を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続けるのが理想です。

 

参考:あいうべ体操を考案した今井一彰先生が院長を務める「みらいクリニック」のウェブサイト

参考:あいうべ体操を子ども向けに紹介した動画

 

やり方を覚えたら、湯船につかっているときなどちょっとした時間に、あいうべ体操をおこなってみてください。ドライブ中にもおすすめです。