おしゃべりできない赤ちゃんとのコミュニケーション法「ベビーサイン」。ベビーサインを使って、「いただきます」から始まる食事のルーティンができるようになったら、次はりんごやバナナといった食べ物についても、親子でやりとりしてみましょう。第2回は、赤ちゃんがよく口にする食べ物のベビーサインについて紹介します。
食べ物のベビーサインで
赤ちゃんの食べる意欲をアップ!
離乳食が始まったら、赤ちゃんの好きな食べ物のサインをたくさん見せてあげましょう。赤ちゃんが、食べたいものをサインで伝えられるようになれば、食べる意欲を引き出すきっかけにもつながります。
「りんご、おいしいね」「おなかすいたね、バナナ食べよう!」など、いつもの話しかけにサインを添えていると、赤ちゃんは手の動きに意味があることに気づきます。スーパーに並ぶ果物を見ながら、「いちごだね」とサインで教えてあげたり、絵本で食べ物が登場するたびにサインをしてみましょう。
赤ちゃんが好きな食べ物のサイン
「りんご」
人差し指をカギ状に曲げて頰にあて、手首をひねります。
握った手がりんごを、人差し指がヘタを表現。
(アメリカ手話)
「バナナ」
人差し指を立ててバナナを表し、もう一方の手をバナナの皮をむくように、上から下へ動かします。
(アメリカ手話)
「いちご」
すぼめた片手を鼻の頭につけます。
(日本手話)
「パン」
片手の親指と人差し指をパッと広げます。
パンが膨らむ様子を表現しています。
(日本手話)
「うどん」
片手の親指を立てて、口元へ運びます。
(日本手話)
「にんじん」
片手のこぶしを顔の外側から口元へ近づけます。
この時、にんじんをかじるように歯をカチカチ噛み合わせます。
(アメリカ手話)
身ぶり手ぶりは、ゆっくりわかりやすく!
そして何より楽しくサインを見せるのがポイント
ベビーサインはコミュニケーションツールの一つです。まずは、赤ちゃんのことをよく知り、楽しく見せることが一番。赤ちゃんが好きなものは何か、よく観察してくださいね。好きな食べ物のサインは、特に覚えるのが早いですよ。
サインを教えるときはゆっくり繰り返し見せるのがコツ。声にも抑揚をつけ、表情豊かに話しかけて、赤ちゃんの興味を引きましょう。
赤ちゃんからサインが返ってこなくても、言葉を聞いてサインを見ることで、たくさんの語彙をストックしています。
曖昧な手の動きや指さしが出てきたら、ベビーサインが出るのも時間の問題。赤ちゃんが伝えたいことを察し、言葉とベビーサインで代弁してあげましょう。赤ちゃんはわかってもらったことが嬉しくて、「また伝えたい」という気持ちになりますし、相手に伝えたいという気持ちが言葉の発達の原動力になります。
ベビーサインは手話がベース!
ベビーサインとは、赤ちゃんと手話やジェスチャーを使ってコミュニュケーションをとる、アメリカ発の育児法。手話は世界共通ではなく、国によって違います。ここでお伝えするベビーサインは、日本手話とアメリカ手話に加え、子どもと話すときによく使われてきたジェスチャーの中から、赤ちゃんが覚えやすい、 簡単なサインを紹介しています。
第3回は、食事のときに役立った実際のエピソードと、「ベビーサイン」の基礎知識を紹介します。