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お子さんのことを思って取り組んできたことを否定する必要はありません。笑顔を忘れずに、今からできることに挑戦しましょう!
今まで、お子さんが食べられるものを探り、少しでも栄養を摂ってもらおうと懸命に努力されてきたおかげで、保育園や幼稚園でお子さんが食べようと頑張ってくれたのだと思います。 しっかりとお子さんのことを思って取り組んできたことを否定する必要はありませんよ。 たとえ、好きなものしかお弁当に入れていなかったとしても、それを完食することで「全部食べられた」とお子さんの自信につながっていたと思います。 【食育】という言葉がありますが、これは栄養バランスの良い食事を目指すことだけではなく、「食を楽しむ」ということも含まれています。 その点では、これまで毎日作ってこられた食事も役割を果たしているのではないでしょうか。
ご相談にある特定の食感が苦手で食べられるものが限られている、ということからは、“感覚過敏”の影響が考えられます。 個人差はありますが、
- 視覚(見た目)に敏感
- 嗅覚(臭いや風味)に敏感
- 食感(口に入れた時の感覚)に敏感
などのタイプがあります。 その場合には、無理に克服させようとするとかえって苦手意識を強くさせてしまうことがあります。 特に食感に敏感なタイプのお子さんは、ムニムニとした食感がまるで噛み切れない異物を口に入れているような気持ち悪さを感じていて、食べ物として受け入れられない側面もあるようです。 それに加え、今回は噛んで飲み込む力が未発達、といったこともあるかもしれません。 こういった場合、次のようなことを試してみたらいかがでしょうか?
- 苦手な感覚のものを無理にすすめない。
- 皿に盛るなら少量で。
- 一口頑張ったらOK。褒めてあげて、二口目は期待しない。(するなら、こっそりと)
- 苦手な食材は薄切りにし、衣を厚くしてカリッとした食感をまとわせる。
- 食材の特性を親子で一緒に調べて、親しみを持たせる。(水分が多い、食物繊維が含まれている、など)
- 先入観を持たず、今まで作っていない料理にも挑戦する。(予想外に食べられる料理に出会えるかも?)
- 親子で一緒に、栽培や料理作りを楽しむ。(失敗にも寛容に)
- 口に入れてから飲み込むまでの噛む回数を数え、少なければ意識させる。
- 噛む回数が増えるような食材をおやつに出す。
これらは確実な解決法ではありませんが、お子さんと一緒に食を楽しむことだけは忘れないように心がけましょう。 また、食材=食べるためだけのもの、とならないように身近な存在に変えてあげることで、食感以外のポイントで「食べてみようかな」という気持ちにも繋がるかもしれません。
他にも噛む練習を積み重ねていくことで、食べにくかったものが食べやすいものに変化し、食べられる食材が増えることも期待できます。
そのためのおすすめのおやつとしては、するめいか・昆布・小魚・ナッツなど、歯ごたえがあるものなどを増やしてみるのはどうでしょうか。食べる時はよく噛んでから飲み込めているか、すぐに噛むのが疲れてしまわないか、そういった点も観察しながら、量や種類を調整して噛む習慣をつけさせてあげましょう。
小学校に入学し、これまでと環境が変わることにお母さんも心配がつきないと思います。 ですが、今まで以上に友達との関わりが増えることで、良い刺激を受けられることもあります。 好き嫌いが全くない子どもはほとんどいませんし、 お子さんも自分で考えながら取り組んでいけるようなこともあると思いますので、無理強いせず、応援し続けてあげると成長が見えてくると思いますよ。また、今からでも食習慣(食環境)は変えられるので、お子さんが給食の時間を楽しめるよう、ご家庭でできることを実践してみてくださいね!
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。