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焦らず、お子さんの環境やタイミングを見直してみて。
手づかみ食べをすることは、脳の発達を促し、後々にスプーンや箸などを上手に使えるようになる上で重要といわれています。ですが、まだまだ経験の少ない赤ちゃんにとっては、手を伸ばしてつかむこと → 物の柔らかさを認識すること → 力を加減すること → 口までの距離を測ること → 口まで運ぶことといった一連の動作は非常にレベルの高いことなのです。それを保護者がやらせようと思ったところで、お子さん自身が「やってみたい」と思うまではなかなか手づかみ食べが始まらないのです。
では、「やってみたい」を引き出すためにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは、以下のタイミングを揃えてみましょう。
① お腹が空いた時
② 機嫌も体調も良い時
体を動かす遊びをさせたり、日光浴をさせることでお腹が空きやすくなります。そういう時はいつもより食への興味が高まりやすいです。お腹が空きすぎていたり、お昼寝のタイミングが重なると逆効果ですので、チャレンジする時は注意してみてくださいね。
次に、手でつかみやすいものを用意しましょう。
③ ベタベタ、ドロドロとしていないもの
④ お子さんの手で持ちやすい大きさ、形(薄めの小判型や、1~2cm幅くらいのスティック型がおすすめです)
手が汚れるのを嫌うお子さんもいます。あまり油を使わず加熱したものがいいでしょう。そして、柔らかすぎてつかみにくいものではなく、離乳食の段階が少し進んだくらいの固さを試してみてください。サイズが小さすぎてしまうと、つまむ動作をしなければならずさらに難易度が上がるため、手を出さなくなるかもしれません。(最初のうちはひと口サイズがわからずにたくさん口に詰めることがありますので、注意して見守ってあげましょう!)
それでもつかみ食べをしたがらない場合、考えられることとしては、外遊びの時や食事中にこまめに汚れを拭いたり、「汚い」といった声かけをしていることはありませんか?そういったことを習慣にしていると、手で触ることをためらうお子さんもいます。時には思い切り汚れを気にせず遊ばせたり、多少汚れていても最後に拭き取る程度にしてみてくださいね。(「たくさん遊んだね/食べたね。最後は綺麗にすると気持ちがいいね。」という言葉で言い換えるといいでしょう)
あとは、単純にまだまだ甘えたかったり、そこまで食に興味がないというケースもあります。そういう場合は、いつもと違う場所や人と一緒に食べるようにすることで気分転換をしてみるのもいいでしょう。ピクニックでもいいですし、子育て支援施設などで食事ができるスペースを利用すると、いつもと違う雰囲気が好きなお子さんは食欲・好奇心アップに繋がることもあります。
手づかみ食べをしないままスプーンを使い始めたという話もありますので、あまり「やらせなければ」と焦らずに、お子さんのやる気を応援してあげるようにしてあげてくださいね。「おいしいね」と言いながら、大人が見本を見せ続けていくことで、少しずつ真似を始めてくれるかもしれません。
ゆっくりとした成長を温かく見守っていってあげましょう。
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。