みなさんは自分の子どもへの注意のしかたに悩んだことはありませんか?
わが家の5歳になった長女は、注意されて大泣きすることはほとんどなくなりましたが、3歳の次女は、まだまだ大泣きし、大暴れし、手に負えなくなることが時々あります。毎回理由は違いますが、きっかけはほんの些細なことがほとんどです。泣き始めてもすぐに泣き止むときと、反対に大暴れし、抱っこすることもできなくなるほど狂暴化してしまうときの違い。
それは、「悲しいよーイヤだったよー違うよー怒ってるんだよー!」いろいろな感情のアピールのために泣き始めたときの、周りの対応にもあるんだろうなと最近身をもって思います。
『その子の気持ちになって話を聞いてあげたかどうか』
その違いのように思います。
たとえば食事中。まだ食べ終わっていないのに席を立ってどこかに走っていってしまったとき。
『こら!食べ終わってないのに席を立たない!!もうごちそうさまなんやね?もう片付けます!!』
『食べるーーー!』と大泣きする娘をしり目に、『もう!いっつもウロウロするから、もういいです!』と、食べかけの食事をわざとシンクへ。泣いても無視。このパターンは、このあと泣いて泣いて長引くタイプの狂暴化するパターンです。
そしてこんなに怒ったら、翌日は賢く食べるかというと、そうでもないですよね。それに、怒られるから次から食事中立ち上がらない、というのも、なんとなくちょっと違う気がします。
なぜ娘は食事中に席を立ったのでしょう?
食事中に席を立ったということにばかり気が向いてしまいますが、「なぜ」の理由が分からないと、きっと明日以降も同じ状況が続いてしまいます。
食事の時に限らず、どんなときでも泣いているときに一方的にこちらがピシャっと言い放ち、そのまま泣き止むまで放っておく、というときが一番泣きが長引きます。どう考えても悪いことをしたときは、叱って終わることが正しいようにも思いますが、本当はそんなときでも、叱ったあとに子どもの気持ちを一度聞いてあげることって大切なんだと思います。
悪いと分かっていてやったことなら、どうしてそんなことをしてみたいと思ったのか。抱っこしながら、または手をつなぎながら、口に出して聞いてみます。このとき、その子どもの気持ちになってたくさん考えます。
『もういらないからあっちに行ったの?』『あそこに見えたおもちゃが楽しそうだなぁって思ったん?』『○○を持ってきてあげようと思ったん?』『ママに見せてあげようと思ったん?』
理由を聞くと、子どもがとった怒られる行動の裏側に、子どもの優しい気持ちが隠れていることもあって、ハッとすることもあります。
そんなときは、「でもね!!今は座ってごはんを食べる時間で・・!」と言いたいところ、ぐっとこらえて、まずは素直に『そうだったの?ありがとう』と言います。そしたら、張り詰めていたものが緩んだように、手を握り返してくれたりします。
それから、どうしてママが怒ったのかお話しをすると、すんなり聞いてくれ、次からは席を立ってしまったときに、「あれ?ごはん中にウロウロしてもいいんだった?」というと、『あかん~~~!』と答えてすぐ戻ってくるようになりました。(どうしても衝動にかられて席を立ってしまうことは未だにありますけどね)
また、そのようすを見ている長女は、妹や小さいお友だちが悪いことをしていると、私が言うことと同じような注意の仕方をします。
たまに長女がぶっきらぼうな言い方で妹を怒る口調に、「そんな言い方しないで、優しく教えてあげてよ~」と言いながら、自分の身をただすのです。
子どもの気持ちになってみたら、見えてくることがたくさんあります。こぼしたり汚したり壊したりも、一瞬頭に血がのぼりますが、考えてみればそんなところに置いている大人がわるい、そりゃあ触りたくなるよね、なんてこともしばしば。だから、子どもに怒るのは半分。残りは自分が反省です。
だれだって子どもの泣き顔よりも笑顔をたくさん見たいものです。いけないよと伝えることは伝える。
だけど、どうしてそんなことをしたのか、その子どもの背景を、その子どもの気持ちになって考えてあげる。怒って怒って押さえつけるよりも、案外簡単に理解してくれるかもしれません。
子どもの気持ちになって考える。簡単なようでとても難しいです。イライラし、心に余裕がなくなると、子どもの気持ちを考えるよりも、なんでこんなことばかりするの!という目の前の状況にしか目がいかなくなります。
だから大きな声で怒って、子どもを黙らせようとしてしまうのです。私もたまにやってしまうのですが、あと味のわるさといったらありません。
親はそれぞれに、子どもにこんな風に育ってほしいなという願いがあると思います。私は、娘たちには大人の顔色をうかがいながら行動するような子どもに育ってほしいと思っていません。それなら、ただ怒ってダメだと言うだけなのは、きっと違うのでしょう。
もちろん危険なことをしていたら、子どもがびっくりするような大きな声で注意しないといけないこともあります。だけど、言いっぱなしではなく、なぜそれをしてはいけないのか、理解させてあげることが、次につなげる大切なことだと思います。
怒りっぱなしにしないこと。声は遠くまで届くので、声だけで耳に届けることができます。
だけど、子どもの心に言葉を届けようと思ったら、やっぱり顔を見て、目を見て。
そして、叱りながらも「あなたのことがたいせつだ」と伝わるように、どこかに触れ、最後は抱きしめます。
何度も繰り返しになりますが、一番は自分が心に余裕を持っておくこと。子どもと関わる私がなによりも心がけないといけないことは、結局はそれなのです。