A
調味料や食材を置き換えるだけでレパートリーは増えますよ
いつも作っているメニューを拝見すると、とても頑張って食事を作っていらっしゃるように感じます。食材もバランスを考えて取り入れているようですので、今作っている食事に自信を持って大丈夫ですよ。
もっと食べてほしい、まだあれが食べられない、など完ぺきを目指すと疲れるし、1歳くらいのお子さんは自我が芽生えてくる時期とされているので、好き嫌いが現われてくるのは成長している証でもあります。もちろん、これがずっと続いていくわけではないので、今すぐどうにかしようと思わなくても、半年単位くらいで変化を見守っていくと良いと思います。
たとえば、今、食べてくれないと悩まれている食材には、酸味や苦味があるものも含まれていますよね。大人は気にならない程度であっても、子どもは敏感に分かったりするものです。(私もかつて、じっくりと甘く炒め煮した玉ねぎを子どもに出したら「からい」と言われたことがありました)
単体で出さずに少量だけ混ぜて出すところからはじめて様子を見てみるのはいかがでしょうか?それでも気づいてしまうのであれば、1週間くらい間を空けて、さらに少量にして混ぜてみるなど…こうしたやり方は、だまして食べさせることが目的ではなく、「こういう食べ方だと美味しいね」と、食材に触れる機会を失わせないために行います。
ヨーグルトであれば、ハンバーグやおやきに混ぜてみたり、きゅうりは煮たり焼いてあげると、苦味成分が薄まって独特の臭いも気になりにくくなりますよ。チーズについては、味が濃かったり歯にくっつく食感が苦手という可能性もあります。固形タイプではなく、粉チーズなどから風味に慣れさせていったり、クリームチーズを薄くパンに塗ってみるのも良いと思いますよ。トマトは皮が食べにくかったり、粒々とした種の見た目や食感を苦手と感じているのかもしれません。生にこだわらなくても、小さく切って煮物の仕上げに加え余熱で火を通すくらいであれば、酸味が和らぎますし、熱に弱い栄養素が全て失われることはありません。
料理のレパートリーとしては、今、作っているメニューの調味料や食材を置き換えれば、もっと増やすことができますよ。たとえば、
【ハンバーグ】
-
- 塩→みそ+しょうが(ごく少量)に変えて和風に。
- 刻んだきのこ/つぶした豆腐/すりおろしたれんこんなどを加えて、ふんわりとした食感に。
- 野菜やきのこの重ね煮に水溶き片栗粉でとろみを付け、あんかけをかける。
【ハッシュドポテト】
-
- じゃがいも→さつまいも、里いも。
- 青のりや粉チーズをトッピングしてみる。
【おやき】
【重ね煮】
-
- ごま油、オリーブオイル、かつお節、焼きのりなどをトッピング。
- 煮物→炒め物。(うどんも、焼うどんとして仕上げてみる)
初めて出す時はそれまでとの違いに拒否感を示すかもしれないので、全てのメニューを変えるのではなく、どれか1品だけにしたり1/3だけ置き換えてみるなどして、お子さんの食べる様子を見て調整するといいでしょう。
それと、食べさせ方を考えることも大切ですが、「こうさせなければいけない」と決めつけないことも大切です。というのも、お子さんは体だけでなく心も日々著しく成長しています。昨日まで当たり前であったことも、今日は違っていて当然なのです。
これしか食べてくれないと決めつけず、「今日はこれが美味しいんだよ」「ママが好きだから一口食べてみない?」という気持ちで、お子さんの日々の変化を受け入れつつ、変化に触れさせてあげるようにしてみてください。(押し付けではなく、あくまで提案やおすすめといったスタイルで!)また、
-
- 食事の時間にこだわり過ぎていないか?
- 十分にお腹が空いた状態で迎えているか?
- これだけの量を食べさせないといけないと思っていないか?
そういったことにも目を向けることで、お子さんの食べる意欲を引き出したり、お母さんの悩みも軽くなるのではと考えます。時間をずらしてみたり、普段の遊びに体を動かすものを増やしたり、次回食べてくれたらラッキー、といった感じで対応してみるといいかもしれません。焦らずに、少しずつ進めてみてくださいね!
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。