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食物繊維もいろいろ、生活習慣も見直して!
便秘で苦しむお子さんの様子を見ているのは、とてもつらいですよね。一般的に、「便秘には食物繊維を摂ることが大切」と言われていますが、食物繊維を多く摂っていればいいというわけではないのです。
- 水溶性食物繊維…便の水分量を増やし、やわらくする。
- 不溶性食物繊維…腸を刺激して、便を送り出す働きを促す。
このように食物繊維には2種類あり、それぞれをバランスよく取り入れることで便秘の解消に役立つとされています。 今、意識してお子さんに与えているオールブラン(小麦外皮/ふすま)や玄米は、どちらも不溶性食物繊維を多く含んでおり、水溶性食物繊維が少ない食品に当たります。これからは水溶性食物繊維を多く含むものも、意識して食事に増やしていくと良いでしょう。
ちなみに、水溶性食物繊維は、大麦・ライ麦・豆類・じゃがいも・海藻・野菜・ドライフルーツなどに多く、ねばねば・ぬるぬるとした食感を持っているものにも含まれています。 また、水溶性食物繊維は水分を吸収することで便をやわらかくする性質があるため、こまめに水分を補給することも大切です。 特に、起きた後、運動した後、入浴後など。
水に溶け出す性質があるため、煮汁ごと食べられるような煮物やスープ料理を活用すると逃さず取り入れることができ、同時に水分も補給できるので活用してみてくださいね。
なお、食物繊維の摂り過ぎについては、ご心配されているように、胃腸への負担となったり、身体に必要な栄養素の吸収を妨げてしまう場合もあります。 日本人の食事摂取基準では、小児の食物繊維量の推奨量は具体的に定められていませんが、海外では「年齢+5g」を推奨していることから、ご相談者のお子さんの場合は、1日6g以上が望ましいようです。
摂り過ぎの目安は、特に数値がありませんが、下痢が続くほどでなければ心配しなくても大丈夫です。 1/3を水溶性、2/3を不溶性食物繊維とするのが、便秘には効果的というデータが報告されていますので、目安にしてみてくださいね。
特定の食品だけで食物繊維を多く摂ろうとするのではなく、水溶性・不溶性の両方がバランスよく摂れるよう、幅広い食品を組み合わせて食事をするようにしてみましょう。 加えて、腸内環境を整えて便通を改善するという観点から、腸内の善玉菌でもある乳酸菌やビフィズス菌、それら腸内細菌のエサとなるオリゴ糖を含む食品を習慣的に摂ることもおすすめです。
【善玉菌が含まれるもの】
みそ、しょうゆ、酢、ヨーグルト、チーズ、漬物、納豆、ぬか漬け、キムチなどの発酵食品
【オリゴ糖が多く含まれるもの】
野菜、果物、大豆など
そして、食事以外では
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- 早寝早起きをして、自律神経の働きを整える
- 身体を動かして内臓の働きを活性化させる
- お腹を冷やさないように気を付け、湯船に浸かって温まる
これらの方法も、腸の働きに影響を与えますので、効果があるかもしれません。 このように見ていくと、便秘ひとつとっても日ごろの生活習慣が関わってくることが分かります。 一つひとつ、無理のないように工夫をしながら取り入れてみてくださいね!
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。