渡り鳥の楽園 宮城県・伊豆沼へ
「都市農村交流ツアー」リポート:2日目

新田の食、歴史、文化などを体験するモニターツアーの2日目をリポートします! 1日目は鑑賞が中心でしたが、2日目は体験イベントが盛りだくさん。「たくあん」や郷土色「はっと汁」づくりを体験しました。

1日目のリポートはこちら

朝の空に颯爽と飛び立つ無数の真贋に感動

さて、2日目の朝は5時半起床!

前日の真雁のねぐら入りに続いて、この日は雁の飛び立ちを観察です。

朝は寒いので完全防寒。前日と同じくNPOくりはらツーリズムネットワークさんにガイドしていただきました。

 

華麗に飛び立つ雁の群れ

ガイドさんによると、真雁は家族単位で行動し、日の出(この日は6時37分)の明るさを合図に、いっせいに飛び立つそうです。人間を警戒して進路を変更してしまうので、観察する際は姿勢を低く保つようアドバイスをいただき、いざ飛び立ちを待ちます。

 

そして飛び立ちの時!

曇り空で心配をしていましたが、それでも明るくなってきた空に颯爽と飛び立っていく無数の真雁の姿。ただもう感動のため息をもらすのでした。

地元の大根でたくわんづくり体験

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一緒に大根を漬ける子どもたち

午前10時からは、伊豆沼農産くんぺる 都市農村交流館にて、郷土食加工体験に挑戦です。

当初は大根の収穫体験の予定でしたが、残念ながら雨天の影響で「たくわんづくり」に変更。でも、お漬物をつくる機会があまりない一同はわくわくです。

 

まずは、予めご用意していただいた沢山の大根を、みんなで手分けして皮をむき、カット。

その後、大きな樽で大根と塩を交互に漬けていきます。
子どもたちも小さな手で一生懸命、漬けてくれました。

なんと、たくわんは約1ヶ月後に、町のお母さんたちが送って下さるとのこと!到着がとても楽しみです。

 

そして次は、いよいよ地元の郷土食「はっと汁づくり」を体験です!

はっと汁はすいとんに似たお料理です。

地元のお母さんたちと交流しながら郷土食づくり体験

地元のお母さんと一緒に生地を何度も練ります

最初は、参加者全員で大量の野菜を手分けして洗い、4分の1程度に大型のザルに分けます。

次に「小口切りチーム」「小麦粉を水と練るチーム」に分かれて作業です。4~5人につき1人、地元のお母さんが先生としてレクチャーしてくださいました。

「小口切りチーム」はお湯を沸かしつつ、人参、大根、ゴボウ等の皮を剥きながら一口大にカット。

「小麦粉を水と練るチーム」はひたすら「はっと生地」を練っていきます。

「はっと」という名前は、江戸時代から米どころとして知られた新田の人たちが、年貢米として米を全て取り上げられ、その代わりにつくり始めたところ、あまりにもおいしくて農作業を休むようになってしまったため、お殿様が「御法度」を出したことに由来しているとも言われています。

その繰り返し練りこんだ「はっと生地」は、鏡餅大に形を整えます。

 

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みんなで生地をちぎって鍋に入れます

一方、沸騰した大鍋に最初に用意した野菜を投入。

野菜が煮える頃合いを見計らって、チーム全員で「はっと生地」の端を薄く延ばして、ひと口大にちぎって何枚も鍋に加えていきます。

最後の味付けは、チーム長のお母さんにお任せ。

 

私たちは地元産伊豆沼農産の米(ひとめぼれ)でおにぎりを用意します。

炊きたてのご飯をラップにのせ、各自好きな具材を詰めて握り、全てのお料理が完成!

 

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はっと汁と地元のお米で作ったおにぎり

自分たちで作った「はっと汁」とおにぎりをおいしくいただきました。

 

食後は全員で後片付けを丁寧に済ませ、振り返りディスカッションを実施。各チーム代表により、今回のモニターツアーの全行程の感想や反省点などの発表を行いました。

これからも続けていきたい、心の交流

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伊豆沼ハムのウインナーも購入

いよいよツアーも締めくくりです。

「くんぺる生ハム工房」見学後、伊豆沼農産の『直売マーケット』でお土産タイム。この地の淡水で獲れた「桜エビ」や「赤豚カレー」など、今回の体験ツアーのお礼の気持ちを込めて個性豊かな品々をたくさん購入しました!

 

最後はスタッフさんに見送られながら新田を午後2時には出発。一路東京へ。
帰りに渋滞は見られたものの、夜9時には東京に到着しました。

 

都市と農村。

狭い国土の中には、多様で豊かな自然とそして地域の歴史と文化があります。都会に住んでいる私たちが、つい忘れがちになってしまう、四季のうつろいや青い空、風の匂い。そして何よりも、ひとのまごころ。

農村の方々との心の交流をとおして、地方の魅力と独自の文化、自然の豊かさを実感し、明日からの暮らしの活力や知恵を知ることができた、素晴らしい旅でした。

 

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