臨床心理士、言語聴覚士のお仕事って?
HAPIKU:スタッフの方のほとんどが、専門的な資格を持っているとお聞きしました。
髙濵さん:そうですね。割合としていちばん多いのは臨床心理士。心理士は読んで字のごとく心理学の専門家で、発達全般を広く扱います。
言語聴覚士は、耳、聞こえ、言葉のスペシャリストです。作業療法士は、手先や運動など、簡単に言えば体の専門家。このほかにも、保育士や特別支援教育の教員免許状を持っているスタッフ、福祉系のスタッフなど、みんなが何らかの資格やスキルを持っています。
専門家によるチームワークで子どもの発達を支援
HAPIKU:いろいろな資格を持つ専門家集団が、それぞれのお仕事に取り組んでいるということですか?
髙濵さん:言語の専門家だから言葉のことしかやらない、心理の専門家だから心のことしかやらないとか、そういうことはないんですよ。それぞれに得意分野があるうえで、子どもの発達のベースの理解や方向性については同じ考えを持っているので、自分が担当しているお子さんでも相談事があれば、ほかの専門家に相談することもよくあるんです。
HAPIKU:チームワークで取り組んでいるわけですね。
石嶋さん:私は言語聴覚士ですが、言葉だけでは体が成り立たないし、心もついてきません。お子さんの発達には、すべての面でのアプローチが必要だと思っています。お子さん自身が育っていく方向を考えて支援していくのが私たちの仕事なんです。
子どもの発達には順序があり、言葉・心・体それぞれが関係し合っている
髙濵さん:チームワークの一例として、乳幼児の食に関して、言語聴覚士や作業療法士が関わることもあるんですよ。
石嶋さん:お子さんが生まれてきて、あっという間に立ち上がって、歩けるようになったら、しゃべれるようになる…と発達には段階がありますよね。そのベースになるのはからだです。
食べるという動作が、口全体やベロの動かし方を育てていき、最終的には言葉につながっていきます。しかし、お子さんは日々の生活の中で練習していかないと、上手にはならないものなのです。
HAPIKU:食事がおしゃべりの発達につながるというのは意外な気がしました。
一般社団法人ぽけっと
2017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
https://www.pocket-room.org/