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気負わず、新しい食材に挑戦するのは週に1度くらいと考えてみましょう。
偏食が長く続いていると、食べてほしいとの思いから、お母さんも形状や盛り付けなど様々な工夫をされてきたのかと思います。こんなに頑張って用意したのに“食べてくれない”が続いてしまうと気持ちも落ち込みますし、食事そのものがストレスになるのも当然です。
確かに栄養の面でも心配になりますが、実際からだの育ちの面で影響は出てきているのでしょうか?実は偏食に対する対応を考えていく時、体重や身長等、からだの育ちの面で影響が出ているかどうか、という視点で捉えていくことも大切です。ご相談者のお子さんは偏りはあるもののある程度は食べられているように思うので、からだの育ちの面で問題がないようでしたら、あまり気を負わずにご家庭では定番の食事として食べられる物を用意していくということもひとつの方法です。
偏食が目立つお子さんの中には、新しい物事への抵抗が強いお子さんも沢山います。例えば、何かを食べる時、口の中で噛んだり舌で触る等の動きを通して様々な感触に触れるため、今までと違う(=得体が知れない)と感じるとそれだけで拒絶してしまうことも多々あります。そういったことからも、新しいメニューや食材に挑戦するような頑張る機会は週に1度(または2週に1度)くらいにして、「食べたらラッキー!」と考えていけると親子ともに負担が少なく過ごせるのではないでしょうか。
もし、からだの育ちの面で影響が出ているようでしたら、ゼリー状の栄養補助食品で補っていくことも悪いことではありませんよ。
そもそもご家庭はお子さんにとって変化の少ない環境なので、なかなか偏食の状況も変わりにくいものです。お子さんは2歳半とのことですので、今後幼稚園や保育園に入園されるご予定があるようでしたら、集団活動の中で刺激を受けて食べられる物の幅が広がってくることも十分考えられます。
偏食はどのタイミングで変化していくかわからない面もあり、“ずっとこのままだったらどうしよう…”と不安な気持ちになりやすいですが、急に変化することもありますので日々の食事場面では定番メニューを活用し、肩の力を抜きながら対応していくことをおすすめします。
※今回は、一般社団法人ぽけっと【臨床心理士】が回答しました。