いつから食具<font>(フォークやスプーン)</font>を持たせるの?<br>どっちの手に持たせたらいいの?

作業療法士が伝える「手の育ち」。今回はその1回目になります。
「手づかみ食べが大切な機能を育てている!」でお話ししたように、赤ちゃんの手は未熟な状態で生まれてきます。手を育てるためには、手と口やお皿と口の距離を確認したり、物の硬さや大きさなどを手のひらや指先でしっかりと確認したりする手づかみ食べが、とても重要なのです。その手づかみ食べが上手にできるようになってきたころ、いよいよ食具の出番です。

食具は興味をもったら…

離乳食が進み、お母さんがスプーンを持っていると、自ら持ちたがるお子さんも多いと思います。「いつごろから自分で持たせたらいいんですか?」とよく聞かれますが、実は興味をもったときが持たせどきです。
とはいっても、いきなり上手にもてるお子さんはいません。以前、「手づかみ食べのあとはフォークからスタート!」でもお話ししたように、食具を使い始めた時期は、口に食べ物を運ぶまでのタイミングや距離感を図っている大切な時期です。たくさん汚れたりこぼしたり…大人から見ると失敗しているようにも見えますが、それが子どもたちにとって大切な練習になります。手づかみ食べも並行しながら、まずは食具を触ることから始めてみましょう。

利き手が決まるまではどちらの手で持たせてあげて

利き手が確定するのはだいたい1歳半〜といわれています。食具をもち始めても、もっている手ではなく、食具をもちながら反対の手で手づかみをする様子などもよく見られます。最終的には自分のもちやすい方や脳の得意不得意で利き手が決まってくるため、まずは“絶対にこちらの手!”と決めずに、日々のお子さんの様子を見ながら、どちらの手でも持たせてみましょう。

 

 

利き手の矯正はあまりおすすめしません

左手で操作するのを好み、物をよく左手でつかむお子さんをよく見かけます。日本人は右利きの方が多いので、さまざまな道具が右利き用になっていることが多いように感じます。す。以前は、左利きの場合に利き手を矯正するようにしつけるご家庭も多かったのではないでしょうか。しかし今は、左利き用の道具も増えてきていること、また子どもは順応性が高いので、右手用の道具も左手で器用に使えるようになること、また人間は必ず道具を使う際に両手を利用することなどを鑑みると、利き手矯正はあまりおすすめではありません。
道具の操作においては、ほとんどが両手を使うことが多いのですが、食事もそのひとつです。左手にスプーン、右手で手づかみも一つの両手動作ですよね。利き手が決まってきたら、お茶碗を持って食べることや器を支えることなどを少しずつ促してみましょう。取っ手付きのお椀を準備するのもひとつの方法です。

 

道具を使うことで手首、指先が成長します

このころは遊びの中でも道具をいろいろ使ってみましょう。おままごとで使うナイフ、フライパン、トングやコップだけではなく、おもちゃのとんかちやねじ回し、おりがみ、シール貼り、ビーズ通し、粘土の中でも型抜きやナイフなど、探せばたくさんの道具が身の周りにあります。手首の操作や指先の操作は道具を使うことで成長していきます。遊びの中でも、初めは両手を一緒に動かす動きから、利き手を使って操作をしたり、利き手で操作・反対の手で補助(押さえる・支える等)の連動した動きに変わっていきます。そういった変化もぜひ観察してみてください。楽しい遊びの中から、毎日の食事につながる操作が上手になっていくと、楽しみがまた増えますね。

このころは遊びの中でも道具をいろいろ使ってみましょう。おままごとで使うナイフ、フライパン、トングやコップだけではなく、おもちゃのとんかちやねじ回し、おりがみ、シール貼り、ビーズ通し、粘土の中でも型抜きやナイフなど、探せばたくさんの道具が身の周りにあります。手首の操作や指先の操作は道具を使うことで成長していきます。遊びの中でも、初めは両手を一緒に動かす動きから、利き手を使って操作をしたり、利き手で操作・反対の手で補助(押さえる・支える等)の連動した動きに変わっていきます。そういった変化もぜひ観察してみてください。楽しい遊びの中から、毎日の食事につながる操作が上手になっていくと、楽しみがまた増えますね。


 

※今回は、一般社団法人ぽけっとの【作業療法士】が執筆しました。

 

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一般社団法人ぽけっと

corporate009_img012017年2月設立。児童発達支援・放課後等デイサービス事業『発達支援ルームぽけっと』や園や学校の先生方を支援する研修・巡回事業等のサービスを提供しています。
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