おすすめ絵本・おもちゃのご紹介 その2<br><font>―絵本とおもちゃで「ゆっくり子育て」しませんか?―</font>

「百町森」の店主・プーおじさんこと柿田友広さんが、おすすめの絵本やおもちゃをNAVIします。

「百町森」は子どもの本とおもちゃの専門店です。

「子どもは遊ぶことで成長する」という考えのもと、キャラクターものでも「知育」でもない、ロングセラーの絵本や木のおもちゃを中心に販売。子どもの成長を助け、遊びに集中できる落ち着いた環境づくりのお手伝いもしています。

また、たくさんの絵本やおもちゃのオリジナルパンフレットを作っていて、子育てや保育の文化・情報を発信しています。

 

<子どもの本とおもちゃ 百町森

http://www.hyakuchomori.co.jp/

 

 

絵本

『よあけ』

山に囲まれた湖のほとり、音一つ聞こえない、静まりかえった夜明け前。おじいさんと孫の少年が毛布にくるまって寝ています。沈みかけた丸い月は湖面にうつり、そよ風の立てるさざ波にゆらめきます。やがて水面に朝もやが立ち昇り、カエルのとびこむ音、鳥が鳴きかわす声が聞こえるようになると、おじいさんは孫を起こします。夜中から薄明、そして朝へ……。

刻々と変わっていく夜明けのうつろいゆく風景を、やわらかな色調で描きだします。絵本をながめる人に静かな高揚感をもたらしてくれる1冊です。

 

ここがおすすめ!

これは1974年にアメリカで出版された『DAWN』の翻訳。ユリー・シュルヴィッツが唐の詩人・柳宗元(773-819年)の「漁翁」という漢詩に触発されて生まれたと言われています。Quiet の1語で始まる本文は1、2行の簡潔な表現で静かな余韻を残します。原文も簡潔なものを、訳者である瀬田貞二は、あるところではさらに短い言葉で訳していています。
ちょっと大人っぽい本なので、一度は出版が見送られそうになりましたが、瀬田貞二の名訳で出版されることになった絵本です。その経緯については、最近、出版された荒木田隆子著『子どもの本のよあけ─瀬田貞二伝』に詳しく書いてあります。この本では、戦後日本の子どもの本の世界を、先頭に立って切り開いた瀬田貞二さんの素晴らしい仕事のひとつひとつが、著者の言葉で生き生きと語られています。


『よあけ』

対象年齢:4歳~
作・画:ユリー・シュルヴィッツ
訳:瀬田貞二

寸法:24×26cm

内容:32頁
出版社:福音館書店
初版:1977年6月25日
本体価格:1,200円+税

詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/book/p/ISBN483400548.html

 

『子どもの本のよあけ』

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作:荒木田隆子
寸法:21×16cm

内容:504頁
出版社:福音館書店
初版:2017年1月15日
本体価格:3,200円+税

詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/book/p/ISBN483408315.html

 

 

 

『ぴょーん』

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ページをめくるたびにいろんな生き物が、「ぴょーん」とはねる楽しい絵本です。

まず、かえるの絵があって、ページをめくるとそのかえるが手足をがばっと広げてぴょーん! と飛びあがります。次は、こねこがぴょーん! 続いて、いぬがぴょよよよーん! ばったがぴょーん! うさぎがぴょーん! おっと、かたつむりは……???

 

ここがおすすめ!

ページをめくるたびに次々繰り返される動物の動作に、子どもたちもだんだん声を出すようになります。そのうち、動作までまねをする子どもや、「ぴょーん」と飛び上がって大笑いする子も。

1歳くらいの子どもに読む時は「ぴょーん」のところで「たかいたかい」をしてあげるのもいいですね。スキンシップをしながら親子で楽しめます。

ユーモラスな仕草が楽しい絵ですが、自然科学のイラストを数多く描く松岡達英さんの作ですから、生き物たちのフォルムは正確。楽しみながら、科学への視点がひらける良書です。

 

『ぴょーん』

対象年齢:1歳~
作:まつおかたつひで

寸法:15.5×15.5cm

内容:35頁
出版社:ポプラ社
初版:2000年6月
本体価格:780円+税

詳しくはこちら
http://www.hyakuchomori.co.jp/book/p/ISBN459106476.html