生後はじめての「初節句」と男児の成長を祝う「端午の節句」

節句とは季節の節目に設けられた日のことで、お祝いをするとともに邪気をはらう行事とされてきました。特に生まれてはじめて迎える「初節句」は、赤ちゃんを囲んでみんなでお祝いしてあげたいですね。
今回はこの「初節句」と、男の子の健やかな成長を祝う「端午の節句」についてご紹介していきたいと思います。

「初節句」をお祝いしよう

初節句」とは、赤ちゃんが生まれてはじめて迎える節句です。お祝い膳を囲み、赤ちゃんの無病息災を願ってお祝いをしましょう。3月3日「桃の節句」ではちらし寿司やハマグリの潮汁などを、5月5日「端午の節句」では柏餅やちまきなどを食べるのがならわしとされています。そのほか、節句の飾りなどについてご紹介します。

 

節句の飾りは誰が買うの?

以前は母方の実家が購入する風習でしたが、現在はこだわらない家庭が増えているようです。ご家族で相談して決めましょう。

 

節句の飾りは一人一個?

基本的には兄弟姉妹と共有ではなく、一人ずつに用意するものとされていす。同じものでなくても、姉がひな人形なら妹には市松人形、兄が鎧兜なら弟には武者人形など、違う物を選んでもいいでしょう。

 

祖父母にお祝いを貰った場合

基本的にはお返しの必要はありません。電話などでお礼を早めに伝え、初節句のお祝いの席に招待をしてあげましょう。もし招待ができない時は、お礼状をそえて内祝いを送ります。

 

節句の飾りを飾る期間は?

節句の飾りは3週間ほど前から飾り、節句が終わったら早めに片付けます。ひな人形や鎧兜などは赤ちゃんの災厄を身代わりに引き受けてくれるとされるもの。毎年欠かさずに飾りましょう。

 

初節句が生まれてすぐきてしまう場合は?

2月生まれの女の子や、4月生まれの男の子のように、生まれてから初節句までが1~2ヵ月しかない場合は、翌年に見送っても良いでしょう。

 

邪気を払う「端午の節句」のならわしとは

「端午の節句」は男の子の節句として親しまれています。

もともとは古代中国の菖蒲を使った邪気払い行事が起源で、奈良時代にこの行事が伝来したといわれます。一説によると江戸時代の武家社会では、菖蒲が「尚武」や「勝負」に通じることから、男児の成長を祈願する行事となり、鎧兜や武者人形、家紋入りののぼりを立てて祝う風習が誕生。やがて庶民に広がっていく中で鯉のぼりが誕生し、現在の祝い方に至ったそうです。

 

端午の節句では、いくつかのならわしがあります。地域などによって異なる場合がありますが、ここでは一般的なものをご紹介します。

 

菖蒲湯に入る

菖蒲をお風呂に入れたもの。湯を高めの温度にするとよく香りが立ちます。菖蒲には魔除けの効果があるとされ、菖蒲湯に入るようになりました。

この他、菖蒲は軒先の飾りなどに用いられています。

 

柏餅を食べる

柏餅は、あんの入ったお餅を柏の葉っぱで包んだお菓子。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、家系が途切れないことを願って端午の節句に食べる習慣がはじまったといわれます。

 

ちまきを食べる

ちまきはもち米を笹の葉でくるんでいぐさで縛り、蒸したり茹でたりしたお菓子。中国では邪気を払う食べ物として親しまれ、日本でも端午の節句に食べられるようになりました。

 

鯉のぼりを飾る

中国に「鯉は滝をのぼって龍になる」という故事があります。このことから鯉は立身出世の象徴とされ、鯉のぼりが飾られるようになりました。子鯉は子どもの人数分だけ増やす地域もあるそうです。

 

鎧兜や武者人形を飾る

鎧兜は戦で身を守る大事な道具です。赤ちゃんに「災厄がふりかからずに無事に成長するように」と願いを込めて飾ります。武者人形は五月人形とも呼ばれていて、桃太郎や金太郎、弁慶、牛若丸などをモデルにしたものが人気です。

 

現代はマンションで鯉のぼりや鎧兜を飾る場所がないというご家庭もあると思いますが、大切なのはお子さんへの気持ち。できることだけでも取り入れて、わが子の健やかな成長を願いましょう。