よく噛める歯ときれいな歯並びのために気をつけたい3つのポイント【食事編】

健やかな発達のためには、よく噛んで食べることが大切です。そしてそのためには歯並びがきれいな状態であることが望ましいですよね。

普段の生活の中でちょっとしたことに気をつければ、子どもがよく噛める歯ときれいな歯並びを成長と同時に得られるようサポートすることができます。この記事では、そのために心掛けたい乳幼児の食事の3つのポイントを紹介します。

その2 硬いものを食べるより、前歯で噛み切ることが大切

では、離乳食から成長が進み、歯が生えてきた次の段階で気を付けるポイントは何でしょうか。

それは、「噛み切る」ことです。

 

よく噛めるようになるためにはどうしたら良いかと考えた時に、「硬いものを食べて噛む力を鍛える」そんなイメージをお持ちではないですか。

実は、よく噛めるようになるために必要なトレーニングは、硬いものを食べることではありません。無理に硬いものを食べるとあごの関節を痛めることもあるので気を付けてくださいね。

 

よく噛めるようになるためには、「前歯で噛み切る」ということを意識してください。野菜スティックやおせんべいがおすすめです。前歯で噛み切ることができれば、硬さは必要ありません。子どもが大好きなスティックパンを前歯で噛み切ることも、立派なトレーニングになります。

 

 

 

では、前歯で噛み切るトレーニングをするには具体的にどうしたら良いでしょうか。

虫歯、歯列矯正の治療をとおして、多くの子どもの歯と歯並びを観察してきた歯科医の柏戸俊彦先生にお聞きしました。

 

よく噛める歯ときれいな歯並びのためには、永久歯に生えかわる前の乳歯のときが大切だと、柏戸先生は考えています。乳歯のときに「すきっ歯」と呼ばれる適度なすき間があるきれいな歯並びだと、永久歯になってもきれいな歯並びのままであると、柏戸先生は16年にわたる診療経験の中で確認してきました。
永久歯が生えそろう頃の小学生高学年の頃は、反抗期を迎えることもあり地道なトレーニングをおこなうことが難しくなることから、特に乳幼児期を重視しています。

そんな柏戸先生に、前歯で噛み切るために乳幼児のときに気をつけたいことをアドバイスいただきました。

 

まず注目したいのが歯の使い方。子どもは食べるときによく噛んでいないと言われがちですが、意外なことに柏戸先生の意見は違います。

 

現代の子どもはよく噛まないと言う言葉を耳にしますが、自分はあまりそうは思わないです。奥歯のみでよく噛むお子さんがとても多い印象です。
人間は雑食動物ですから、あごの関節が複雑です。前歯で裁断して、奥歯ですりつぶす運動をするのが、正しい食べ方なんですよ。前歯のギザギザが小学校高学年になっても残っているお子さんは前歯を使ってない証拠なのです。

 

前歯で噛み切るようにさせるためには、食事を準備する際にどんな注意をすればよいでしょうか。

 

前歯で噛み切るトレーニングのための食材に何がよいかと、お母さんにもよく聞かれます。食材は特に問いませんので、食材選びに神経質にならなくて大丈夫です。
普段の食事の際、なるべく食材を大きくして食べさせてください。たとえば焼き肉なら、細かく切らずに食卓に並べていただきたいのです。
一口サイズの食事が一番良くありません。大きな食材を前歯でちぎって、奥歯でよく噛むことを目指してください。

 

食材の大きさ、切りかたが大切なのですね。と言っても、意識し過ぎる必要はなく、できる範囲で注意すれば大丈夫だそうですよ。

 

食材を小さく切らずに食べると、当然食事の時間が長くかかってしまうので、忙しい日はお勧めできません。休日や時間のある日には、なるべく食材を大きくした食事になるようこころがけましょう。