困りごとの第一位は「遊び食べ」
「子どもの食事で困っていること」として、一番多いのは「遊び食べ」です。1歳以上のお子さんの保護者の約45%があげています(平成17年度乳幼児栄養調査結果報告、厚生労働省)。
遊び食べの原因は?
「遊び食べ」の原因としては、テレビに気をとられたり、大好きなおもちゃが子どもの視界に入っていたりすると、子どもは食事に集中できないことがあります。また、食事の時間が空腹で迎えられないこともあります。近頃は、24時間営業のコンビニエンスストアや自動販売機等が数多く存在し、子どもが「お腹がすいた」と訴えると、すぐに食事、間食(おやつ)、飲み物などを与えることが可能な状況です。また、歩きながらや電車内での飲食が、それほど行儀の悪いことだとは思われなくなっています。
対策はどうする?
すぐに食べ物を口にできる状況に慣れてしまうと、子どもは少しの空腹感、嫌なこと、不安なことがあると、何か口に入れてこれらの気持ちを紛らわそうとしたり、保護者も子どもの気持ちにきちんと向き合おうとしないで、食べ物でその場を処理しようとしがちです。
しかし、「お腹がすいた」と子どもが言った時に、空腹感をある一定時間以上持続させることが大切であると考えます。「あと少しで夕ご飯だから待ってね」「おうちに帰ってからみんなで食べよう」などの言葉かけをして、少しの我慢や辛抱を体験させることで、子どもの食事への期待感と喜びが増します。こうして空腹で迎えられた食事では、遊び食べをすることなく、食べることに感謝し、味わっておいしくいただくことができることでしょう。
生活リズムや子どもとの関わりの見直しを
遊び食べを防ぐには、食事時間中の配慮だけでなく、1日の生活リズム全体を見直し、子どもの気持ちを食べ物で紛らわしたり、満たしたりしない子どもとの普段の関わりが重要です。これらに気をつけることも、幼児期の食育の一つになります。