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吐き出したことで良いことがあったのかも?視点を変えて関わってみるのもひとつ。
お子さんが元気に食事を取れない日が続き心配ですね。食べたい気持ちはあるけれど、吐き出してしまうから食べるものが変わり、食事量も減っているようにも思えます。また、食事を吐き出すようになった原因はいくつかの理由が重なっていることが考えられます。
おうちでは食事以外の時間をどのように過ごしていますか。もしかしたらお子さんにとって食事は“お母さんと一緒にいる”実感を持ちやすい時間なのかもしれません。最初に吐き出したのは偶然だったり、「怒られた出来事」を思い出したりといった理由が考えられますが、食事を吐き出したことでお母さんが自分に寄り添って心配してくれたため、「吐くと側にいて優しくしてくれる」と誤ったパターンを学んだ可能性があると思います。
- 吐くとお母さんが心配して優しくしてくれたから、吐き出すことに決めた
- 吐き出すとお母さんに甘えながら食事ができる(自分を見てくれる)
といった、お子さんなりの「こっちの方がいいな!」と思う理由が隠れているかもしれませんね。そして、離乳食は食べているというのは赤ちゃん返りの可能性もあります。お菓子であればせんべいやケーキなどの固形の物も食べられるというのは、「おやつはごはんじゃない」「おやつの時間は楽しい」といった理由で安心しているのかもしれませんね。
こうした状況での対応としては、まずお子さんの「お母さんに甘えたい」「私も見て欲しい」という思いを満たしてあげることが良いと思います。今は体調や体重の変化が無いことを確認しながら、食べられるものを食べられる量だけ食べてもらい、吐き出した時も「ちょっと嫌だったね」と流してあげるくらいの方が今は良いでしょう。
お母さんのお膝の上で食事を摂るのも良いですよ。食べる食べないに関わらず、お母さんと一緒に過ごせる時間やひとり占めできる時間が安心感につながっていくでしょう。
お母さんがお子さんと一緒にごはんを食べられるタイミングがあれば、「お母さんも食べるよ」「ごはんおいしいね」などとおしゃべりをしながら、楽しくお食事ができます。その中で、お母さんが食べているものに興味を持ち、固形の食事に挑戦してみようと思うようになるかもしれませんね。
ところで、保育園でもご家庭と食事の形状を統一しているとのことでしたが、園でも固形の食事を吐き出していましたか?それともお母さんからのお話を受けて、園側が「統一しよう」と食事の形態を変更されたのでしょうか?
園では吐き出しは見られなかったものの、お母さんのお話を受けて変更した場合には、通常通りの形態で食べられる可能性が高いです。お子さんにとって園と家の食事は別ものなので、お子さんの様子を園の先生と確認しながら、同学年のお友達と同じ形態の食事を試してみるのも良いでしょう。進級するとすんなり普通食に戻る場合もありますよ。
さまざまな可能性が考えられますが、産後の体調や赤ちゃんのお世話など、お母さん自身も大変な時期だと思います。ご無理のない範囲で生活の中に取り入れやすいものを、取り入れてみていただければと思います。
今回は、一般社団法人ぽけっと【言語聴覚士】が回答しました。