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食べない理由も探ってみると、関わり方のコツが見えてくることも。
一般的な食事量に比べて食べる量が圧倒的に少なく、身長・体重も成長曲線より下回ってしまっているとなると心配になりますよね。成長曲線を下回っているならば、専門の医療機関等を受診してみることも大切ですので、ぜひ相談してみてください。
ご質問にあった栄養補助食品等は、市販のものでしたら1日の摂取量など、規定の範囲を守った上で与えるのは問題ないと思います。グミは歯ざわりや噛む大変さで嫌がるお子さんもいるので、ゼリー飲料など、食べやすい形状を選ぶことも食べることへの抵抗を減らす工夫の一つです。
一方で、食べないという状態はお子さんなりに理由があるのかもしれません。いくつか考えられる理由とその対応方法を簡単に紹介しますね。
①食への興味が薄い
食事に対し興味が持てないお子さんの場合、食べることを促してもなかなか食べてくれないことが多いようです。まずはお母さんと一緒にとうもろこしやたまねぎの皮をむく、食材を袋から出すといった簡単なお手伝いをして、調理前の食材を見たり、触れさせたりしてみましょう。自分がお手伝いをした食材が調食卓に出てきた、と興味を持てるようになりますよ。お手伝いをしたがらないお子さんの場合は、食べ物を題材にした絵本やおままごと遊びも、食べ物に興味を持つきっかけになりやすいので、遊びの中で食べ物に触れる機会を増やしてみるのもよいでしょう。
また、子どもはおもちゃ、テレビといった別の物事に意識が向きやすい傾向にあるので、お子さんの気持ちが食事に向いていない、ということも考えられます。もし気が散っている様子が目立つようでしたら、テレビに布をかけたりおもちゃを箱にしまったりして、食事中は気になるものが目につきにくいようにするのも良いでしょう。
②お腹がすいたという感覚を感じにくい
必要な感覚(機能)面の未熟さがあると、本当はお腹がすいていてもその感覚がつかみづらく、食べることへ意識が向きにくいという場合があります。
感覚面を育てていくためには、体のマッサージ(特に手足のような末端)がおすすめです。マッサージは触られた感触が脳に伝わっていくので、感じ取る力を育てることにもつながりますし、親子の楽しいスキンシップの機会にもなりますので、一石二鳥と言えますね。
③運動不足で、エネルギーを必要としない
そもそもお腹がすいたという感覚は、体を動かしエネルギーを消費することで、新たなエネルギーの元となる食べ物を欲する状態のことです。そのため、運動をしないと体はエネルギーを必要としなくなりお腹もすかないのです。もし、お子さんが大人しいタイプであまり活動的ではない場合は、外遊びやお散歩等の運動の機会を増やすことで、お腹がすくようになっていくことが期待できます。
お子さんが食べない理由はそれぞれで異なりますが、もし①~③のいずれかのタイプに当てはまるようでしたら、日常生活に取り入れることが可能な範囲で、工夫をしてみてくださいね。親としては、お子さんがごはんを食べない!と不安になりますよね。でも“食事を嫌いにさせないこと”も、とても大切です。食べる量が少なくても、食べる場面では楽しい食卓になれるよう笑顔で関われるとよいですね。
※今回は、一般社団法人ぽけっと【臨床心理士】が回答しました。