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ナッツ類のアレルギーチェックの進め方

ピーナッツやくるみ、カシューナッツなどのアレルギーチェックを進めたいのですが、進め方がわかりません。どのようにしたらよいでしょうか。
(1歳2か月・男児)

A

5歳までは固形物のナッツ以外で、1種類ずつごく少量から進めていきましょう。

近年、ナッツ類(※)のアレルギー発症率が高くなっていると言われています。その背景には、以前に比べてナッツ類をご家庭などで食べる機会が増えたことが関係しているようです。ナッツ類のアレルギーは、発症数に対してアナフィラキシーを起こすリスクが高いという問題点が。そのため、早めにナッツ類に対する食物アレルギーの有無を知っておくことが大切です。

 

ただし、ナッツ類を食べ始める際には、注意点がいくつかあります。

 

①ナッツばかりを優先しない

ご質問者様のお子さんは、すでにナッツ類以外のアレルゲンとなる食品を食べ進めていると思いますが、離乳食を開始して間もない場合は、まずは鶏卵・小麦・乳に対して食物アレルギーが起こらないかを確認してから進めてほしいと思います。
「栄養を摂らせたいから」とか、「いつまでに始めなければ」と考えたり、周りと比較して焦って進めたりすることのないようにしましょう。

 

②5歳未満に与える場合は、できれば市販の粉末かペーストを使用する

消費者庁からも毎年注意が呼びかけられていますが、5歳未満にナッツ類を与える際は、丸ごとや大きいかけらのままでは絶対に与えないでください。
5歳頃までは噛み砕いたり飲み込む力が未発達で、硬いものやナッツ類を十分に細かく噛み砕くことができません。そのため、ナッツ類を喉や気管に詰まらせて窒息したり、噛み砕いた小さなかけらが気道(肺へ繋がる空気の通り道)に入って肺炎や気管支炎を起こすケースが多くあるので要注意!
そういったリスクを避けるためには、できるだけ市販の細かい粉末(製菓用のものなど)か滑らかになっているペーストを選んであげると安心です。もし、固形のままのナッツ類しか手に入らない場合は、可能な限り細かくすり潰したり、水分を加えて滑らかにした状態で利用しましょう。ただし、粉末そのものだけで与えると、勢いよく吸い込んでしまって危ないので、ヨーグルトや加熱した野菜などに和えてあげることをおすすめします。

 

③アレルギー体質の場合は、主治医に相談してから始める

現在お子さんの肌に湿疹がある、もしくは乳児湿疹がひどかった場合や、何らかのアレルギーを持っている場合には、まず主治医に相談してみましょう。ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、これらはすべてアレルギーによって引き起こされるものです。
両親などにアレルギーがある場合も、お子さんに症状が無くても念のため相談したほうがいいと思います。

 

以上の点を踏まえた上で、ナッツ類の摂取を進めてみてくださいね。

アレルギーが怖くてついつい食べさせるのを後回しにしがちですが、他の食品と同じように1種類ずつごく少量から与え、その都度、食後数時間に症状が出ないかを注意深く観察すれば問題ありません。挑戦するタイミングは、必ず平日の午前中、小児科が開いている時間帯を選ぶことをお忘れなく。

 

※ ナッツ=木の実(くるみ、アーモンド、カシューナッツ、マカダミアナッツなど)と、ピーナッツ=落花生(マメ科の食品)を合わせて、「ナッツ類」と表現しています。

※今回は、【管理栄養士】が回答しました。