A
入園を機に変化が見られるかも。食事内容やフォローアップミルクの与え方も変えていきましょう。
長期にわたり、「食べてほしい」という願いが叶わず、とても苦労されたと思います。あれこれと工夫をこらしても変化が見られず、悩んだ末でご相談いただいたのでしょうね。
食べない理由は、お子さんによってさまざまなことが考えられます。食材の見た目や口に入れた時の食感といった料理そのものに苦手を感じることもあれば、噛んで飲み込むのが面倒で食べたがらないというケースもみられます。もし、こういったことが理由であれば、噛む必要のないフォローアップミルクやジュースを好んでいる可能性も…。
<フォローアップミルクとの付き合い方>
現在、起きてすぐにフォローアップミルクを飲ませているとのことですが、その習慣は変えた方がいいかもしれませんね。なぜかというと、フォローアップミルクを飲むことで満足してしまい、食欲がわかなくなっているかもしれないからです。フォローアップミルクとは、食事をとっていても足りない栄養素を補うことが目的なので、まずは食事を摂らせてみてから、食後に飲ませるという使い方に変えてみてはいかがでしょうか?(習慣になっているのであれば、最初は食べずに飲みたがるかもしれませんが、「今用意しているから、その間に少し食べてみない?」と声掛けをして試してみてくださいね)
<食事内容の見直し>
また、確実に食べているものだけを食事に出しているのであれば、それも少し見直してほしいところです。たしかに、量を食べないと不安になりますよね。けれども、お子さんが食べないものを食事から一切排除し続けてしまうと、ますますそれらへの興味関心が薄れて食べてくれなくなってしまう心配があります。苦手な食材であっても、何度も目にしたり、直接触れるなどといった、親しむ機会を設けることで少しづつ安心感が生まれ、「今日は食べてみようかな?」という行動に繋げることができるといわれています。反対に、見たこともない馴染みのない食材に対しては、「よくわからないから怖いな、食べたくないな」という感情を抱くこともわかっています。(このことは“新規性恐怖”と呼びます)確実に食べるものに加え、それ以外のものも少量でいいので一緒に食事に並べてあげるようにしてみましょう。
もちろん、出したからといって完食を期待するのはNG。「一口だけでも味見してみない?」くらいの軽い声掛けで促し、拒否されたら「また今度、挑戦してみようね」といって残してみてください。量の目安は、スプーン1杯程度の一口くらいで十分です。(たくさん出してしまうと、嫌悪感が強くなってしまうかもしれないので)もし、口に入れて出してしまったとしても、お子さんの頑張りはしっかり褒めてあげてくださいね。少しづつ、お子さんが受け入れられる準備ができてくれば、食べられるようになりますよ。
保育園に通わせて給食が始まると、アレルギーなどがなければ一人だけ食材を除いて提供してもらうことは難しいはずです。おうちではそんな給食の環境に慣れる意味でも、食べないものも並べてあげてくださいね。可能であれば、給食の献立を先取りし、食事に加えてあげるといいかもしれません。「今度、保育園でも出てくるから、おうちで少し食べる練習してみようか」といって、並べるだけでOK。手を付けてくれない場合は、よく見てもらう、においを嗅いでもらう、大人がおいしそうに食べている様子を見せるといった行動をとってみてくださいね。
口に入れるとなるとハードルが高いかもしれませんが、それ以外は取り組みやすいと思います。こういった形で、食材に親しませるという方法もおすすめです。
<食べる量について>
食べる量に関しては、その子の代謝にもよるといわれています。小食でも元気よく動ける子もいれば、そうでない子もいます。運動に支障がなければ、頑張って目安量を食べさせるようにしなくてもOK。保育園で活動量が増えたり、生活のリズムが変わることで食べる量が変化することもありますよ。
また、保育園では、周りの子どもの様子を見てたくさんの刺激を受けます。パクパクとおいしそうに食べているお友達の姿をみたら、「自分も頑張ってみようかな」、「食べるといっぱい褒められるから嬉しいな」といった気持ちの変化が期待できるのではないでしょうか。保育園の先生と連絡を密に取りながら、少しづつご家庭でもできることを取り入れてみてくださいね!
※今回は、【管理栄養士】が回答しました。