東洋医学からみた子どもの食育 Vol.13 秋の乾燥と咳との関係 最終更新日:2024.11.28 季節が進み、空気が乾燥してきましたね。秋はこの乾燥に気をつけたいところ。 皮膚のかゆみや髪の毛のパサつきなど、乾燥に伴う外側の変化はより感じやすいですが、内側の変化はどうでしょうか。乾燥した空気を吸い込む鼻や気管、肺などはどんな影響を受けるのでしょうか。 それぞれ詳しくみていきましょう。 目次 秋に起こる身体への影響とは?呼吸器の不調のサインが現れる場所は?秋は『白いもの』肺を潤す白いもの献立例その他の季節的な症状におすすめの食材昔ながらの食べ物の知恵 秋に起こる身体への影響とは? これから風邪が流行る季節を迎えます。ウィルスや細菌の侵入を防ぐための第一関門となるのが、鼻や気管の粘膜になりますが、実は乾燥によってこれらの免疫機能は低下してしまいます。 また、気温が下がってくると、汗腺がとじて汗が出づらくなり、体内の水分が外に排泄しにくくなります。体内に不要な水分が溜まることから、冷えをまねきやすくなるのです。こうした身体の乾燥や冷えは、咳が出やすくなったり、腸の動きが鈍くなり便通がととのわなくなったりという症状につながります。 呼吸器の不調のサインが現れる場所は? 鼻や気管、肺などは呼吸器官と呼ばれますが、呼吸器官の不調が出やすい部分が、呼吸器の入り口である小鼻の部分です。ここが赤くなっていたり、小鼻の付近に吹き出物ができていたりすると、呼吸器系の不調のサインとなります。 また、頬の乾燥や吹き出物も肺の不調のサインとなります。朝ごはんを食べる時、保育園や幼稚園に見送る時、子どもの小鼻の付近や頬を意識して見てみましょう。そういったサインが見られた場合は、乾燥や冷えに意識を向けて免疫を下げないようにしていきたいところです。 秋は『白いもの』 喉や鼻、肌、大腸、これらはまったく関係ないようにみえますが、東洋医学では全て関連しており、おおもとは肺と繋がっていると考えられています。この時期のキーとなる食材は、『白いもの』です。肺を潤す食べものには白いものが多いからです。秋に肺をしっかり潤してあげることで、次にやってくる冬に向けての身体を作ってくれます。 では、肺を潤す白い食材と献立例を紹介しましょう。 肺を潤す白いもの 豆腐、豆乳、里いも、れんこん、大根、白ねぎ、ユリ根、銀杏、白ごま、松の実などのナッツ類、白きくらげなど ※白米はここには入りません。 献立例 大根と柿のなます 柿のビタミンCの力も借りましょう。 大根もちやれんこんもち 子どものおやつにもおすすめです。 れんこんのすりおろしみそ汁 みそ汁の最後にすりおろしたれんこんを。 里いもの白ごまみそ煮 茨城県の郷土料理です。 みぞれ鍋や豆乳鍋 しょうがも一緒に入れることで身体が温まります。 その他の季節的な症状におすすめの食材 便秘 発酵食品、梅干し、りんご(皮つき)、いちじく、水溶性食物繊維(きのこ、こんにゃくなど) 肌の乾燥 小松菜やほうれん草などの青菜や、にんじんなど色の濃いお野菜 昔ながらの食べ物の知恵 咳に対しては、以下のような昔ながらの食べ物の知恵があります。お子さんが取り入れやすいものを試してみてください。 ※昔ながらの食べ物の知恵は、全ての人によいとは限りません。アレルギーなどをおもちの方は十分注意して、保護者様の責任の下での実施をお願いします。 枕元に半分に切った玉ねぎを置いておく 安眠効果もあるようです。 はちみつ大根 1cm角に切った大根をはちみつにつけておいたものをいただきます。 ※1歳未満のお子さんは、はちみつを控えてください れんこん湯 れんこんのおろし汁大3、しょうが絞り汁2,3滴に熱湯 100mlを注ぎます。 ※市販のれんこん粉末もあります 胸部のあたため ハンドタオルを水に濡らし、電子レンジで温めたものを、ビニール袋などにいれ胸元に置きます。 もしお子さんが嫌がる場合は必要がないということですので、無理に試す必要はありません。これからの季節、お子さんの乾燥や冷えによる身体の変化に気を配ってあげてくださいね。 望診法指導士 / 食育指導士岩下 牧子(いわした・まきこ)先生 東洋医学の基礎、顔や体から体質や体調をチェックする望診法を学び、現在は講座の企画、運営、講師業に携わる。現在、二人の子ども...続きを見る 東洋医学の基礎、顔や体から体質や体調をチェックする望診法を学び、現在は講座の企画、運営、講師業に携わる。現在、二人の子ども(7歳娘、5歳息子)を育てながら、顔や身体に出てくるサインと食べ物との関係を日々観察し、食材の持つ力を愉しんでいる。外の情報に振り回されず自分の身体の声から食を選択できる家族を増やしたいと活動中。 東洋医学の基礎、顔や体から体質や体調をチェックする望診法を学び、現在は講座の企画、運営、講師業に携わる。現在、二人の子ども(7歳娘、5歳息子)を育てながら、顔や身体に出...続きを見る 東洋医学の基礎、顔や体から体質や体調をチェックする望診法を学び、現在は講座の企画、運営、講師業に携わる。現在、二人の子ども(7歳娘、5歳息子)を育てながら、顔や身体に出てくるサインと食べ物との関係を日々観察し、食材の持つ力を愉しんでいる。外の情報に振り回されず自分の身体の声から食を選択できる家族を増やしたいと活動中。 シェア ポスト シェア はてぶ シェア ユーキャンの料理講座 ユーキャンの離乳食・幼児食コーディネーター講座